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現場の業務カイゼンを最大限にはかれる日本型SOA
第1回:長年のSIノウハウと先端アークテクチャを融合した日立のSOA
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— BPELによってすべてのビジネスプロセスを自動化することが可能なのですか

林氏:BPELによるビジネスプロセス自動化のメリットは大きいのですが、すべての業務処理が自動化できるわけではありません。例えば審査・承認システムのように、人の判断を経て進行するビジネスプロセスもあります。

SOAが注目されはじめた頃、一部では「SOA=BPEL」というような風潮もありました。もちろん、プロセス全体を容易に自動化できるBPELのSTP(Straight-Through-Processing:一連の手続きを自動で連続処理すること)は、システムへのアクセス統合において非常に有用です。


— BPELだけでSOAを実現できそうですが


株式会社日立製作所 林重年 林氏:SOA実現にあたってそれだけでは不十分であり、人が介在する審査・承認システムなどへの対応も不可欠だと考えていました。そこで、人が介在する業務に対応するワークフローエンジンとして実績のあったCosminexus WorkCoordinatorをSOA基盤製品としてサービスインテグレーション製品として提供しています。

これは実績のある製品であり(ファーストバージョンのリリースは1998年)、標準技術だけでは解決できない機能を提供するために、SOA登場以前から培われてきた様々な技術やSIノウハウが投入されています。こういったところが、日立の強みではないでしょうか。

対話型ワークフロー
図3:対話型ワークフロー
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


— SOAに対する取り組みの将来の展望を教えてください


林氏:日立としては、Cosminexus Version 7はプロセス統合を中心としたサービスインテグレーションの投入でSOA機能を大幅に強化しましたが、今後さらにそのサービス連携範囲を拡張していきます。特に重視しているのが、現場のユビキタス環境とエンタープライズのシームレスな統合なのです。

ビジネスを円滑に行う上で一番重要なのは「現場」です。これからは現場の情報をタイムリーに把握して、経営判断などに活用していくことがますます重要になるでしょう。今後日立はユーザが意識することなく、ユビキタス環境でシステムを意識することなくできるようにすることを目指しています。

株式会社日立製作所 林重年

株式会社 日立製作所 ソフトウェア事業部 第2ネットワークソフト設計部 部長   林 重年
1989年に日立製作所に入社。開発環境製品やオーサリングツールの開発に従事した後にデータベース製品「HiRDB」の企画・開発プロジェクトリーダーを務める。現在はJ2EEやSOAをはじめとするユニバーサルアプリケーションプラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」の企画・開発プロジェクトリーダーを務める。


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INDEX
第1回:長年のSIノウハウと先端アークテクチャを融合した日立のSOA
  日立製作所ではSOAをどう捉えていますか
  Cosminexus Version 7の機能について教えてください
BPELによってすべてのビジネスプロセスを自動化することが可能なのですか