|
|
情報・知識を企業成長のチカラに変えるナレッジマネジメント |
第2回:情報の質を向上させる知識化とは
著者:東芝ソリューション 永村 栄治 2006/7/20
|
|
|
前のページ 1 2 3
|
|
「知識化」を促進するナレッジセンター
|
ここまで説明してきた知識化の手段により、知識を蓄えることについて意識が高い集団であれば、自然に知識が蓄積される。しかし、さらに組織全体として知識化を促進するためには、トップダウン的に課題と目的を明確にし、業務に組み込んだ形で実施するのが望ましい。
その代表的な事例が「ナレッジセンター」と呼ばれる仕組みである。ナレッジセンターはナレッジ管理者のような知識を管理する責任者をおき、各部門で発生する知識をナレッジマネージャが吸い上げるバーチャルな組織である。
このナレッジセンターは大きく3つの機能を持つ。
- 業務の中で発生する様々な知識を抽出する
- 抽出した知識を選別したりまとめたりすることにより、知識を精査し、質の高い知識を必要な部門に発信する
- 各部門からの問い合わせに対して、今まで蓄積された知識をもとに回答を行い、必要に応じて担当部門に問い合わせるなどの処理を行って、新たな知識を蓄積する
表2:ナレッジセンターの機能
これらの3つの機能は、組織的裏づけと情報の可視化、体系化、知識化をサポートするシステムを組み合せて実現されている。ナレッジセンターでは、業務プロセスを定義し、今まで蓄積されたドキュメントを収集・分析し、業務に必要な知識や業務プロセスにおいて発生する知識を洗い出している。
そして、業務をはじめる時にナレッジセンターによって洗い出された必要な情報を業務にあわせた情報としてシステムが提示し、また業務プロセスから発生する知識もテンプレートにあわせて記載するようにしている。業務プロセスごとに発生する知識は、ナレッジマネージャが選別・統合・編集を行って必要な部門に発信する。これらの一連の流れにより業務を行いながら質の高い知識が蓄積・活用されることになる。
図4:ナレッジセンターの事例 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
|
終わりに
|
今回の終わりに、知識化を成功に導くポイントは以下の通りである。
- あるべき情報の流れ(物の流れ)にそって、組織を超えたコミュニケーションの活性化が必要である
- 蓄える情報は結果情報だけでなく、結果にいたる経緯や活用の情報も重要である
- 知識のレベルアップには、課題や目的を明確にし、トップダウン的に組織や業務に組み込んで実行する必要がある
表3:知識化の成功のポイント
次回は、知識化の次のステップである知識継承について解説する。
|
前のページ 1 2 3
|
|
|
著者プロフィール
東芝ソリューション株式会社 永村 栄治
ナレッジマネジメントや文書管理のコンサルティングからシステム設計・構築を担当するグループのリーダーとして活躍中。
|
|
|
|