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情報・知識を企業成長のチカラに変えるナレッジマネジメント
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第2回:情報の質を向上させる知識化とは
著者:東芝ソリューション   永村 栄治   2006/7/20
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情報の知識化とは

   前回解説した情報共有フェーズにより、点在していた企業内の既存情報をすばやく取り出すことができるようになることがご理解いただけたと思う。情報共有ができたら、次は情報の質を向上させる必要がある。情報の質の向上には、表1にあげる2つの要素が必要だ。
  • 組織の壁を越えたコミュニケーションによる情報交換の活性化と情報共有意識の向上
  • 結果となる最終的なドキュメントだけでなく、「なぜそうなったのか」という結果にいたるまでの経緯や理由などの付加情報の蓄積

表1:情報の質の向上

   それでは、各項目について解説していこう。


なぜ、組織の壁を越えたコミュニケーションが必要なのか

   組織内だけでコミュニケーションを行っていると、どうしても組織間で情報の壁ができてしまい、必要な情報が共有されなくなる傾向がある。ある商品に関する情報は、例えば「ユーザ → 営業部門 → 製造部門 → 技術部門」というように流れることが望ましい場合があるが、組織の壁により伝わるべき情報が寸断されてしまうと、視点が組織内に固定化されてしまい、知識が生まれにくくなる。

   そこで図1のように情報を作る立場と使う立場のコミュニケーションの場を提供することにより、組織間の垣根をなくして必要な情報を共有・発信させるようにすれば、様々な視点の情報がやり取りされ、質の高い情報が得られるようになる。


図1:組織を超えたコミュニケーションの場
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   また組織間でのコミュニティが活性化されると、情報提供のメリットが肌で感じられるようになり、自然に情報共有意識も強くなるというメリットもあげられるだろう。

   このような組織を超えたコミュニケーションの場は、最近では何かしらの形で提供している企業が多い。しかしコミュニケーションの場としてよく使われている掲示板だけだと、どうしてもそこに見に行くという動作が必要になるため、だんだん利用者が少なくなるという課題がでてくる。

   これを改善するには、普段よく利用しているインターフェースであるメールとの連携が重要である。コミュニケーションの場を利用する際は、メールでやり取りしながら自然と知識が溜まっていくシステムが望ましいと考える。

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東芝ソリューション株式会社 永村 栄治
著者プロフィール
東芝ソリューション株式会社   永村 栄治
ナレッジマネジメントや文書管理のコンサルティングからシステム設計・構築を担当するグループのリーダーとして活躍中。


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第2回:情報の質を向上させる知識化とは
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