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VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)

著者:デル   2006/8/31
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LAMPスタックの構成

   テスト結果の前にLAMPスタックの構成について補足説明をします。

1. RDM(ロウ・ディスク・マッピング)のセットアップ

   仮想マシンの作成後、ESX MUIを使って、各仮想マシンに2台目のハードディスクを追加します。仮想ディスクの種類を尋ねられたら、[System LUN/Disk]を選択してください。続いて表示される画面から適切なLUNを選び、わかりやすいメタデータ・ファイル名を付けてください。

   RDMの詳細については、本連載の範囲外となるため触れていませんが、詳細を知りたい方は、以下のURLをご参照ください。


   新しく追加したハードドライブは、ゲストOSの起動時に/dev/sdbとして認識されます。ゲストOSのインストールが終わったら、ルート(root)でログインし、fdiskなどのパーティション・ユーティリティを使って20GBのパーティションを作成してください。このパーティションは、/dev/sdb1として認識されます。次に、下記のコマンドを実行して、MySQLユーザがロウ・デバイスに読み書きできるようにします。

# chown mysql.mysql /dev/sdb1


2. MySQLのセットアップ

   RHEL3 U4をインストールした後、次の手順に従ってください。


ステップ1

   ルート(root)の権限で次のコマンドを実行し、稼動中のMySQLサービスをすべて停止します。

# /etc/init.d/mysql stop


ステップ2

   以前にインストールされていたMySQLはすべて削除します。

# rpm -nodeps e `rpm qa|grep i MySQL`


ステップ3

   MySQLバイナリをインストールします。

# rpm ivh MySQL-client-5.0.7-
0.i386.rpm MySQL-devel-5.0.7-
0.i386.rpm MySQL-server-5.0.7-
0.i386.rpm


ステップ4

   /etc/my.cnfファイルを編集します。下記に従ってパラメータを変更してください。

パラメータ
key_buffer_size 16M
table_cache 32M
read_buffer_size 2M
read_rnd_buffer_size 4M
myisam_sort_buffer_size 16M
thread_cache 250
innodb_data_file_path /dev/sdb1:20Gnewraw

表5:変更するパラメータと値

   また注意点として、既存の/etc/my.cnfファイルがない場合、/usr/share/mysql/my-large.cnfファイルを/etc/my.cnfにコピーしてください。


ステップ5

   これでロウ・デバイスを初期化する準備が整いました。MySQL データベースを開始します。

   MySQLは、20GBのロウ領域を初期化しなければならないので、起動処理が長時間に及ぶことがあります。

   進行状況は、/var/lib/mysql/hostname.errファイルから監視できます。

# /etc/init.d/mysql start


ステップ6

   innodb_data_file_pathパラメータの値を、/dev/sdb1:20Gnewrawから/dev/sdb1:20Grawに変更してください。つまり、「new」というキーワードを削除します。次に、MySQLを再開します。

# /etc/init.d/mysql restart


3. PHPの構成

   php.netからphp-5.0.4 tarballを入手し、次の手順に従ってください。


ステップ1

   ルート(root)の権限で、このphpソースファイルを解凍します。

# tar zxvf php-5.0.4.tar.gz


ステップ2

   ルート(root)の権限で、phpモジュールを構築します。

# cd php-5.0.4
# ./ configure --with-apxs2=/usr/sbin/apxs2 -with-mysqli=/usr/bin/mysql_config
# make
# make install


4. Webサーバの構成

   次にWebサーバの構成について解説します。


ステップ1

   /etc/httpd/conf/httpd.confファイルに次の行を追加します。

KeepAlive On
KeepAliveTimeout 50
ServerName hostname:80
AddType application/x-httpd-php .php


ステップ2

   apacheサービスを再開します。

# service httpd restart


5. データベースのセットアップ:

   以下のURLから、Online DVD Storeアプリケーションをダウンロードします。


   このアーカイブ・ファイルを解凍したら、ds2ディレクトリに保存されているREADMEファイルの指示に従って作業を進めてください。


次回は

   今回は各コンポーネントの構成と、LAMPスタックの構成についての補足説明をしました。次回はLAMPの性能をサイジングについて解説していきます。

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第10回:ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
  概要
  各コンポーネントの構成
  MySQLとPHPのインストール
LAMPスタックの構成