第3回:サーバの構成 (2/3)

VMware ESX Server サーバ統合ガイド
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第3回:サーバの構成

著者:デル   2006/8/10
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デルがサポートする構成

   本書の執筆時現在、当社では、ESX Server 2.5.1ソフトウェアの運用システムとして、基本的なサーバ構成の動作確認を済ませています。1台のサーバを「スタンドアロン」モードで使用することができるほか、1台または複数のサーバをスイッチ経由で同じSANに接続する共有モードも可能です(注1)。
※注1: SANに接続する場合は、ファイバチャネル・スイッチが必要となります。本書の執筆時現在、ファイバチャネルへの直接接続はサポートされません。

   VMotionテクノロジは、2台以上のサーバを同じSANに接続する場合に利用可能となります。VirtualCenterは、上記いずれの構成でも利用可能です。VMotion関連の処理を実行するには、このVirtualCenterが必須となります。

   表3〜5は、当社の推奨構成をまとめたものです。表3には、スタンドアロン構成とSAN構成の両方に当てはまる内容を挙げています。スタンドアロン構成の場合は、この表3の内容に加え、表4の内容が該当します。SANに接続する場合は、表3の内容に加え、表5の内容が該当します。

デバイスの種類 構成 構成 構成 構成
サーバ PowerEdge
6850
PowerEdge
2850
PowerEdge
1850
PowerEdge
1855
プロセッサ インテル Xeon
プロセッサ×4
インテル Xeon
プロセッサ×2
インテル Xeon
プロセッサ×2
インテル Xeon
プロセッサ×2
RAM 16GB(推奨) 8GB(推奨) 8GB(推奨) 8GB(推奨)
RAIDコントローラ デュアルチャネル仕様のPERC
4e/Di
(PowerEdge Expandable RAID Controller 4e/Di)
デュアルチャネル仕様のPERC
4e/Di
シングルチャネル仕様のPERC
4e/Si
ミラーリング仕様のPERC
4/im
ネットワーク オンボードの
ネットワーク・
ポート
×2
アドオンNIC
オンボードの
ネットワーク・
ポート
×2
アドオンNIC
オンボードの
ネットワーク・
ポート
×2
アドオンNIC
オンボードの
ネットワーク・
ポート
×2
注2:現在のところ、1855のGigabit EthernetドーターカードはESX構成でサポートされません。

表3:ESX Serverシステムの基本ハードウェア構成

※注3: デマンド・ベース・スイッチング(DBS)機能は、VMware ESX Serverソフトウェアでサポートされません。この機能をサポートするプロセッサの使用時は、BIOS設定でDBSを無効にする必要があります。

サーバ PE 6850 PE 2850 PE 1850 PE 1855
ストレージ 内蔵
ハードディスク
×5
(15,000回転の
ディスクを使った
RAID 5
構成を推奨)
内蔵
ハードディスク
×6
(15,000回転の
ディスクを使った
RAID 5
構成を推奨)
内蔵
ハードディスク
×2
(15,000回転の
ディスクを使った
RAID 1
構成を推奨)
内蔵
ハードディスク
×2
(15,000回転の
ディスクを使った
RAID 1
構成を推奨)

表4:ESX Serverシステムのスタンドアロン構成でサポートする、その他のデバイス

デバイスの種類 構成
ホスト・
バス・
アダプタ(HBA)
ファイバチャネルHBA×1
または、PE 1850の可用性を向上させるには、
Qlogic製QLA 2342(デュアルポートのHBAカード)を推奨します。PowerEdge 1855ブレードの場合は、QLA2342M(HBAドーターカード)が必要となります。
ストレージ 内蔵ハードディスク×2
(15,000回転のディスクを使ったRAID 1構成を推奨)

表5:ESX ServerシステムのSAN接続構成でサポートする、その他のデバイス

※注4: アービトレーテッド・ループ構成は、サポート対象外です。したがって、SANに接続するには、ファイバチャネル・スイッチが必要となります。

   また、VirtualCenterサーバの推奨構成を以下の示します。

リソースの種類 推奨
サーバ PowerEdge 1850、または、PowerEdge 1855ブレード
メモリ 2GBのRAM
RAIDコントローラ オンボードのRAIDコントローラを使用
ストレージ 2台の内蔵ハードディスクでRAID 1を構成、または、外付ストレージを使ってRAID 5を構成
ネットワーク オンボードのネットワーク・ポート×2
オペレーティングシステム Microsoft Windows Server 2003

表6:VirtualCenterサーバの推奨構成

※注5: 改版により本書から削除されたその他の推奨構成については、以下のURLのリソースセンターに掲載されている「Support Matrix - VMware Software and Compatible Dell Server/Storage Platforms」(互換性の対応表)をご参照ください。
http://www.dell.com/vmware


VirtualCenterを使用しない構成

   図2には、当社がサポートする基本サーバ構成のうち、VirtualCenterを使用しない例を示します。

VirtualCenterを使用しない構成(1台以上のPowerEdgeサーバをオプションでSANに接続)
図2:VirtualCenterを使用しない構成
(1台以上のPowerEdgeサーバをオプションでSANに接続)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第3回:サーバの構成
  VMware製品の紹介
デルがサポートする構成
  VirtualCenterを使用する構成
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
第1回 VMware関連基礎用語
第2回 仮想化環境の設計と物理サーバから仮想マシンへの移行方法
第3回 サーバの構成
第4回 インストール時の注意点とチューニングポイント
第5回 SANブート
第6回 ブレード・サーバへの導入
第7回 Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのVMware VMotion性能
第8回 ブレードサーバで構築するVMware ESX ServerのVLANネットワーク
第9回 VMware ESX Serverの性能〜ベンチマークテスト
第10回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(前編)
第11回 ブレードサーバのLAMP性能特性とサイジング(後編)
第12回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(導入編)
第13回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(仮想化CPU機能編)
第14回 メール・プロトコル環境における仮想CPU(リソース管理編)
第15回 デュアルコア・サーバによるVMware ESX Serverの性能向上

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