TOPサーバ構築・運用> VMware製品の紹介
VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第3回:サーバの構成

著者:デル   2006/8/10
1   2  3  次のページ
VMware製品の紹介

   VMware ESX Serverソフトウェアを利用すると、物理的には1台のサーバでも、複数の仮想マシン(VM)を容易に作成することができます。各VMは、それぞれに割り当てられたリソースを使って個別に稼動できるため、Windows、Linux、Novell NetWareなどのオペレーティングシステム(OS)とそれに関連するアプリケーションを混在させながらも、安定した環境が構築できます。

   ESX Serverソフトウェアは、「仮想化レイヤ」という層構造を形成し、その中で仮想化したデル・ハードウェアの様々なリソースを各VMとサービス・コンソールに割り当てます。このサービス・コンソールからは、VMwareの仮想化レイヤ向けの管理インタフェースが提供されます。図1は、ESX Serverのアーキテクチャを示したものです。

VMware ESX Serverのアーキテクチャ
図1:VMware ESX Serverのアーキテクチャ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   管理用アプリケーションのVMware VirtualCenterは、様々なESX Serverシステム間に分散する各仮想マシンと、ESX Serverシステムそのものを監視、管理します。

   VirtualCenterの管理下にある複数のESX Serverシステム(サーバ・ファーム)が同じストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)に接続されている場合は、VMotionテクノロジの優れた機能を活用することができます。

   VMotionテクノロジは、「VMのホット・マイグレーション」をサポートするので、稼動中の仮想マシンを移行することができます。あるESX Serverシステムで実行中のステートフル(処理状態が把握可能)なアプリケーションは、そのOSと共に別のESX Serverシステムへ移動させることができます。エンドユーザがこの移行処理に気付くことはないため、作業中の業務に支障を及ぼすこともありません。

   このテクノロジにより、性能強化や拡張が動的に行えるだけでなく、メンテナンス時でも稼動を存続することができます。たとえば、ある物理サーバで保守が必要になった場合、稼動中の全VMを他のESX Serverシステムに移動させることで、ユーザはそのまま作業が続けられます。こうしてVMを取り除いたシステムは、シャットダウンして修理し、その後、VMを戻せば、サービスが再開できます。

   これらの処理中も、エンドユーザに支障が及ぶことは一切ありません。同様に、あるVMを物理リソースの豊富なシステムに移動させれば、稼動を続けたままVMの性能を向上することができます。

   ESX ServerソフトウェアとVirtualCenterを当社のシステムに導入すると、次が可能になります(表1)。

  1. サーバのコンソリデーション(統合)
  2. 高可用性の達成と一貫したサービス・レベルの保証
  3. テストおよび開発工程の効率化
  4. ハードウェアおよびソフトウェア・インフラストラクチャの拡張
  5. ソフトウェアのアップグレードに依存せず、最新の標準ハードウェアにアップグレード可能

表1:システムに導入した際のメリット

   ESX ServerソフトウェアとVirtualCenterの詳細は、ソフトウェアに添付されている下記のガイドをご参照ください(表2)。

  1. 「ESX Server 2.5.1 Installation Guide」(ESX Server 2.5.1インストール・ガイド)
  2. 「ESX Server 2.5.1 Administrator's Guide」(ESX Server 2.5.1管理者ガイド)
  3. 「Guest Operating System Installation Guide」(ゲストOSのインストール・ガイド)
  4. 「VMware Scripting API User's Manual」(VMwareスクリプトAPIのユーザ説明書)
  5. 「VMware VirtualCenter 1.2 User's Manual」(VMware VirtualCenter 1.2のユーザ説明書)

表2:ガイド一覧

   これらは、以下のVMware社のWebサイトからも入手可能です。


   本連載は、「VMware ESX Server 2.5.1 Installation Guide」の補足資料として、当社のサーバや推奨構成に特化した情報を載せています。本ガイドの最新版は、以下のURLに掲載されているデル/VMware向けのリソースセンターをご参照ください。


1   2  3  次のページ

デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第3回:サーバの構成
VMware製品の紹介
  デルがサポートする構成
  VirtualCenterを使用する構成