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VMware ESX Server サーバ統合ガイド
VMware ESX Server サーバ統合ガイド

第6回:ブレード・サーバへの導入

著者:デル   2006/8/18
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構成3

   この構成では、NIC0をサービス・コンソールとVMkernelで兼用します。NIC1は、VMkernel専用となります。NIC0は、VMに加え、サービス・コンソールの通信も処理します。NIC1が処理するのは、VMotionの通信のみです。この構成を採用するには、次の手順に従ってください。流れは構成2とほぼ同様です。
  1. サービス・コンソールにルート(root)レベルの権限でログインし、vmkpcidivy -iコマンドを実行します。これは対話形式のコマンドで、サービス・コンソールと仮想マシン間にデバイスを割り当てるとき、利用できます。ここではNIC0を構成して、サービス・コンソールと仮想マシンから共有できるようにします。
  2. サーバを再起動します。
  3. MUIを使って、2つの仮想スイッチを作成します。1つは仮想マシン用(NIC1)、もう1つはVMotion(NIC0)用です。

表5:構成3を採用した場合のインストール後の処理

※注5: VMotionを実行するには、全ブレード・サーバでスイッチ名を同一にする必要があります。


構成4

   この構成では、NIC0をサービス・コンソールとVMkernelで兼用します。NIC1は、VMkernel専用となります。VMkernelはNICのボンディング(結合)機能をサポートしており、NIC0とNIC1をチーム化することができます。ボンディング機能により、NICの冗長構成と負荷分散が可能になります。この構成を採用するには、次の手順に従ってください。

  1. サービス・コンソールにルート(root)レベルの権限でログインし、vmkpcidivy -iコマンドを実行します。これは対話形式のコマンドで、サービス・コンソールと仮想マシン間にデバイスを割り当てるとき、利用できます。ここではNIC0を構成して、サービス・コンソールと仮想マシンから共有できるようにします。
  2. 構成ファイル(/etc/vmware/hwconfig)の最後に次の行を加え、NICのチームを設定します。
    nicteam.vmnic0.team = "bond0" nicteam.vmnic1.team = "bond0"
  3. NIC1を、このチームのプライマリNICに指定することができます。これにより、NIC1はVMとVMotionを処理し、NIC0はサービス・コンソールを処理するようになります。これは、オプションですので、必ずしもこのようにする必要はありません。vmnic0(ESX ServerソフトウェアがNICに付ける汎用的な名前。ここではNIC1の名前として仮定)をプライマリNICとして設定するには、/etc/vmware/hwconfigファイルに次の行を追加します。
    nicteam.bond0.home_link = "vmnic0"
  4. サーバを再起動します。

表6:構成4を採用した場合のインストール後の処理

※注6: プライマリNICを指定するときは、vmkpcidivy -iコマンドを実行して、実際のNIC名を調べてください。


VLANのセットアップ

   構成1〜4のいずれを採用する場合も、VMotion用のNICは、別のVLANに接続することを強くお勧めします。別のVLANに接続すれば、このNICを他のネットワークから切り離すことができ、VMotionトラフィックの安全性が高まります。ESX Serverソフトウェアの仮想スイッチを使ってVLANをセットアップする方法は、「ESX 2.5 Server Administration Guide」をご参照ください。

   PowerConnect 5316Mスイッチ・モジュールを使ってVLANをセットアップする方法は、以下のURLに掲載されている「Dell PowerConnect 5316M System - User Guide」をご参照ください。



PowerConnect 5316Mスイッチ・モジュールを使ったフォルトトレランスの設定

   構成4でPowerConnect 5316Mスイッチを使い、NICのフェイルオーバを実現するには、ESX ServerのMUIから「Options」タブのアドバンスト構成を選びます。そして、次のパラメータ値を1に変更してください。

Net.ZeroSpeedLinkDown = 1

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デル株式会社
著者プロフィール
著者:デル株式会社
デルはスケーラブル・エンタープライズ戦略の重要な要素の1つとして、VMware社の仮想化技術を用いたサーバ統合ソリューションを提供しています。業界標準技術を採用した、デルのPowerEdgeサーバとDell | EMCストレージから構成されるハードウェアプラットフォームと、仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」、仮想マシン管理ツール「VirtualCenter」、仮想マシンの無停止マイグレーション技術「VMotion」を組み合わせることにより、柔軟でコストパフォーマンスに優れるサーバインフラストラクチャが構築可能です。

http://www.dell.com/jp/


INDEX
第6回:ブレード・サーバへの導入
  はじめに
  NICの構成
  ESX Serverソフトウェアのインストール
構成3