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Xen管理ツールの現状 |
第1回:Xen管理ツールに必要な機能を考える
著者:びぎねっと 宮原 徹 2006/9/20
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Xenの管理ツールに必要な機能
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さて、VMware VirtualCenterを参考に、Xenの管理ツールに必要な機能を考えてみましょう。
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仮想マシンの作成・設定
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まず必要なのが仮想マシンを作成する機能です。現在のところ、コマンドラインで仮想ディスクファイルを作ったり、設定ファイルを書き換えたりしていますが、できれば管理ツールで必要なパラメータを設定するだけで必要な処理が行われるのが望ましいでしょう。
OSのインストールなども自動化されてくると、より便利に使えそうです。そういう意味では、既存の仮想マシンをクローン化して複製を作ったり、テンプレートとして新しい仮想マシンを作成できる機能もあると便利でしょう。
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仮想マシンの状態監視
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監視系も仮想マシンの負荷状態などをチェックできると便利でしょう。時系列で負荷をグラフで見たり、高負荷状態になった時には警告を発してくれるような機能が欲しいところです。
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管理作業のスケジュール化
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管理作業をスケジュール化する機能は判断が分かれるところです。熟練のシステム管理者であれば、cronなどを使ってスクリプトで処理してしまうでしょうから、必ずしも管理ツールに必須の機能とはいえないでしょう。それでも定型作業を簡単に管理ツールから設定できると楽であることには違いありません。
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リソース管理
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リソース管理は是非欲しい機能です。CPUやメモリの割り当てや、複数の仮想マシン間での割り当てバランスの設定などができると、リソースの効率的な利用に繋がります。
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仮想マシンの移動
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仮想マシンの移動もXenでは「LiveMigration」としてサポートされているので、管理ツールから実行できることが望ましいでしょう。
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Xen対応管理ツール
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さて、次回からは本題の「Xen」に対応した管理ツールについて、上に上げたような機能があるかどうかも含めて、1つずつ評価していきたいと思います。評価の対象として現在検討している管理ツールを簡単に紹介していきましょう。
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XenEnterprise
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Xenの商用開発を行っているXenSource社が提供する管理ツール。ホストマシン上でXenを動作させるためのインストーラーや、既存のシステムをXen上の仮想マシンに移行させるP2Vツール(Physical To Virtual)もセットになった統合パッケージという感じのもので、VMware ESX Serverに近いでしょう。
管理ツールはJavaで書かれており、WindowsとLinux上での動作がサポートされています。
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Enomalism
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Enomaly社が開発を行っている管理ツール。Webサイト上のスクリーンショットを見ると、ポップなデザインのUIが目を引きます。見た感じがVMware ServerなどについてくるMUI(Management User Interface)に似ているような気がしますが、きっと気のせいでしょう。
スペックを見る限り、仮想マシンの移動(Xenで言うとLiveMigration)をサポートしているようです。
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Virtual Machine Manager
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Red Hat社(の開発者)が開発している管理ツール。PythonとGTK+で開発されているので、主にLinuxのX Window上で実行するアプリケーションとなっています。Red Hat Enterprise Linux 5でXenがサポートされる予定となっていますが、このツールが管理ツールになるかどうかは正式には不明です。
これらのほかに管理ツールとして、VA Linux社が開発している「Medusa」がありますが、現在のところあまり詳細な情報がないようです。今後詳細が明らかになってきたら取り上げてみたいと思います。
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著者プロフィール
株式会社びぎねっと 宮原 徹
代表取締役社長兼CEO。OS/2上でMS-DOSやWindowsを動作させるVDM(Virtual DOS Machine)を皮切りに、デモ環境構築のためにVMware WorkstationやVirtual PCなどをいじっているうちに、すっかり仮想化技術にはまってしまった。
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