TOPサーバ構築・運用> 連載をはじめるにあたって




Xen管理ツール
Xen管理ツールの現状

第1回:Xen管理ツールに必要な機能を考える
著者:びぎねっと  宮原 徹   2006/9/20
1   2  3  次のページ
連載をはじめるにあたって

   サーバ仮想化環境として期待されているXenですが、7月に発表されたSUSE Linux Enterprise Server 10で正式にサポートされたりと、実際の業務などで使用できる環境が整いつつあります。しかしその一方で、統合的に管理できるツールや管理ソリューションの不足しているとい懸念があり、まだ導入できないといった声も聞きます。

   サーバ仮想化を行いたいというユーザのニーズは、何台もの物理サーバを統合(コンソリデーション)したいというものなので、一括管理が行える管理ソリューションの必要性は非常に高いといえるでしょう。

   そこで本連載では、Xenを管理するツールの現状と課題を取り上げていきます。第1回目の今回は、いきなりではありますがXenの当面のライバルである「VMware Infrastructure 3」で利用できる管理ツール「VMware VirtualCenter 2」を例に、サーバ仮想化環境に求められる管理ソリューションを検討してみます。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」ですね。もちろん、次回以降はXenに対応した管理ツールを紹介していきますのでご心配なさらないよう。

   なお、本連載ではすべて最新のバージョンを基にして記述しています。いくつかの部分でVMware ESX Serverバージョン2系とは異なりますので、注意してください。

VMware VirtualCenterとは?

   VMware VirtualCenter(以下、VirtualCenter)は、VMware ESX Server(以下、ESX Server)をベースにしたサーバ仮想化環境「VMware Infrastructure 3」の管理ツールです。VMware社の製品説明によると、以下の機能を担っています。

  • 一元管理
  • 運用の自動化
  • リソースの最適化
  • 高可用性

表1:管理ツールとして必要な機能

   これらのポイントから、管理ツールとしての機能を探っていきましょう。


一元管理の機能

   VirtualCenterは、複数のESX Serverを一元管理することができます。VirtualCenterはWindows用のアプリケーションとして実装されており、ESX Serverで実行されている「VirtualCenter Agent」と通信を行って動作します。


管理構造

   VirtualCenterの画面は、左側のツリー表示と右側のタブ表示の2ペイン表示が基本です。ツリーには管理対象のホストマシンと、その上で動作する仮想マシンが並び、階層構造で表示されています。

VirtualCenterの画面
図1:VirtualCenterの画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   最も大きな管理単位が「データセンター」で、この下に「ファーム」と呼ばれる管理単位を作ります。そしてファームには「ホスト」が含まれます。また、「クラスタ」と呼ばれる管理単位も存在しています。

   このツリー構造には、管理のために必要な様々な管理対象が含まれてくるため、物理的な存在と論理的な存在が混在しており、それぞれの機能や役割がわかってきても直感的に把握するのは大変です。VirtualCenterにはリソースの接続状況をマップ表示する機能なども備わっていますが、仮想マシン環境を直感的にビジュアルで表示する方法については、まだまだ改善の余地があるように思えます。


コンソール機能

   バージョン2系までは仮想マシンのコンソール画面(例えばWindowsならばマウスを使って操作するGUIの画面)を表示・操作するのは「Server Console」という別のアプリケーションを利用しないといけませんでしたが、バージョン3ではVirtual Centerに統合されているので、管理者はシームレスにGUI操作が行えます。最近ではSUSE Linuxの「YaST」などLinuxもX Windowを使ってツールで管理するようになってきているので、できれば容易に使いたい機能です。

   Xenであれば、VNCを使うか、X11やRDPといったプロトコルを使う方法が考えられますが、管理ツールとどのように統合するかが課題でしょう。

1   2  3  次のページ


株式会社びぎねっと 宮原 徹
著者プロフィール
株式会社びぎねっと   宮原 徹
代表取締役社長兼CEO。OS/2上でMS-DOSやWindowsを動作させるVDM(Virtual DOS Machine)を皮切りに、デモ環境構築のためにVMware WorkstationやVirtual PCなどをいじっているうちに、すっかり仮想化技術にはまってしまった。


この記事の評価をお聞かせください
ボタンをクリックしますとウインドウが開きます。

INDEX
第1回:Xen管理ツールに必要な機能を考える
連載をはじめるにあたって
  運用の自動化
  Xenの管理ツールに必要な機能
Xen管理ツールの現状
第1回 Xen管理ツールに必要な機能を考える
第2回 品質重視のXenEnterprise
第3回 リファレンスを狙うVirtual Machine Manager