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リッチクライアントを加速させるAjax開発環境「マスカット」の全貌
第2回:実践!マスカットIDEをセットアップする
著者:
NTTデータ 川田 洋平
2006/12/15
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ブラウザ版IDEとEclipse版IDEの違いと使い分け
ブラウザ版IDEとEclipse版IDEのセットアップと機能概要について説明しましたが、なぜIDEが2つもあるのでしょうか。表5に2つのIDEの特徴をまとめました。
項目
ブラウザ版IDE
Eclipse版IDE
動作環境
Webブラウザ
Eclipse
作成支援対象
レイアウト定義XML
レイアウト定義XML
イベント定義XML
利用対象者
営業、画面設計者、初級者
開発者、上級者
利用対象とする開発工程
要件定義〜設計
設計〜製造
表5:ブラウザ版IDEとEclipse版IDEの比較
ブラウザ版IDEの最大の利点は、前述したようにセットアップが極めて簡単なことです。導入の敷居が低いため、マスカットでどのような画面を構築できるのかを試してみるといった、マスカット導入のファーストステップとして最適です。
機能的にも画面作成に必要な基本機能は十分備わっているうえ、ドラッグ&ドロップでGUI部品の構築ができるので、本開発でも利用可能です。また営業担当者が営業先で顧客と打ち合わせをしながら、その場で画面を作成して意識合わせを行うといった用途にも利用できます。
Eclipse版IDEの最大の利点は、マスカットアプリケーションのクライアントサイドおよびサーバサイドを含むアプリケーション全体を構築できることです。VBのような開発が可能で、大規模案件にも十分対応可能なIDEとなっています。
また、ブラウザ版IDEとEclipse版IDEはレイアウト定義XMLを通じて、画面のインポートとエクスポートが可能です。例えば先ほど例としてあげた、営業担当者が客先で意識合わせとして作成した画面を使って、以下のような流れで開発をすることができます。
営業担当者がブラウザ版IDEを用いて顧客と打ち合わせながら画面レイアウトを作成
営業担当者がレイアウト定義XMLとしてエクスポート
開発者がそれをEclipse版IDEにインポートして、イベント機能などを追加
表6:ブラウザ版IDEとEclipse版IDEの連携による開発の流れ
このようにブラウザ版IDEとEclipse版IDEを場面に応じて使い分け、また両者を連携させることでマスカットによる開発をより効率的にすることができます。
次回について
次回からは実際にマスカットIDEを利用してマスカットアプリケーションを構築する方法を紹介します。是非ともご期待ください。
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著者プロフィール
株式会社NTTデータ 川田 洋平
技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ エキスパート
同社の研究開発部門にてWebシステムの研究開発に従事。マスカットの開発には初期から携わり、オープンソース化後はマスカットプロジェクトのプロジェクト運営委員会(PMC)およびコミッタとして活動を続けている。
INDEX
第2回:実践!マスカットIDEをセットアップする
はじめに
実践!マスカットIDEのセットアップ
Eclipse版IDEをセットアップする
ブラウザ版IDEとEclipse版IDEの違いと使い分け