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BPMS実践講座
ビジネスプロセスの可視化を実践するBPMS

第2回:システム構築のポイント

著者:日本プロセス  菊田 朋史   2006/12/7
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業務プロセスのモデリング

   SBMでは業務をシステム化する際、BPMN(Business Process Modeling Notation)に基づいて、業務プロセスを図式化していきます。それには以下のような意味があります。
  • 実業務内容の可視化、および整理
  • 実業務における他部署と外部企業との業務関連の整理
  • 実業務における利用情報項目の整理

表4:業務プロセスを図式化する目的

   モデリング段階で現状を把握し、改善すべき箇所の洗い出しを行います。SBMでは、これらの作業を支援するために業務プロセスモデリングツール「Savvion ProcessModeler6.8」を提供しています。Savvion ProcessModeler6.8は、BPMNに準拠した表現方法です。

   Savvion ProcessModelerを使用してプロセスを図式化する利点として、次のようなことがあげられます。


見やすい・わかりやすい

   表現の方法が単純であり、「経営者」「業務分析者」「現場ユーザ」「IT技術者」といった違った立場でも業務プロセスを共通認識でき、理解しやすいという点があります。業務プロセスの中で「誰が」「どのタイミングで」「何をするのか」「何に注意すべきか」が把握しやすくなります。


業務要件の伝達、認識のズレを少なくする

   これまでの業務システム開発における問題・課題の1つに、「要望通りのシステムが作られていない」という点があります。その大きな理由として、「ユーザの業務要件を強引にIT用語へ翻訳してしまう」ことがあげられます。

   しかしSBMではBPMNに準拠した表記法で表現しているので、「強引にIT翻訳」されることが減り、「ユーザとIT技術者間の溝」を大幅に狭めることが可能となります。


システム化しやすい

   SBMはビジネスプロセス図から業務フローのアプリケーション化、そして実行環境へとシームレスに連携することが可能なアーキテクチャを持っているため、BPMSでプロセスを図式化したものをベースに、実際に利用する業務フローアプリケーションに展開できます。

   BPR(Business Process Reengineering)を担当、あるいは実践しようとする方から、一度は耳にする言葉に「実際の業務は複雑に絡みあっている」があります。当り前のことですが、「何が絡みあっているのか」「何が複雑なのか」ということが判明・解決しない限りBPRを実践することはまず不可能でしょう。つまり「何が=業務の実施タイミングが」「何と=複数の担当部署と」といったように、各業務プロセスと業務担当部署・権限の関係を紐解く必要があるのです。

   こういった際にBPMSのモデリングツールを使うことで、業務の「可視化」や「整理」を効率良く行えます。

モデリングツール「Savvion ProcessModeler」
図2:モデリングツール「Savvion ProcessModeler」
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   Savvion ProcessModelerでは、ビジネスプロセス図に設定した様々な情報を元に、プロセスサマリーレポート(PDF形式またはRTF形式ファイル)を自動出力します。

   これは、ビジネスプロセス図に業務内容の説明や実際に扱っている業務入出力情報、そしてコメントなどが出力された業務記述書の位置付けとなります。

   例えば業務の内容が改善・変更された場合、それまでの情報に加えて新たな改善ポイントを文書に追記した上で、自動的にプロセスサマリーレポートが再生成されます。この機能によってこれまでのような陳腐化してしまう業務要件の文書ではなく、常に鮮度のある業務文書として継続的に利用することが可能となります。

プロセスサマリーレポート
図3:プロセスサマリーレポート
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


業務プロセス文書の管理

   SBMではモデリングしたプロセス図/業務内容が記述されたプロセスサマリーレポート/関連添付電子ファイルをPAM(Process Asset Manager)サーバで管理します。

   PAM機能は、作成したプロセス図の登録・更新とその履歴、そして業務プロセスに関連する電子文書を登録することが可能です。また登録文書の編集ロック機能やWebページとして文書を公開する機能も持ち合わせています。

   これらの機能により、例えば業務プロセスのBPRに関するミーティングの際に、直接PAMサーバに接続して、登録されている業務プロセス図やプロセスサマリーレポートなどを参照しながらの話し合いを実施することができ、効率良くミーティングが行えます。

業務フローチャート・業務記述書・業務項目をSBMサーバで管理
図4:業務フローチャート・業務記述書・業務項目をSBMサーバで管理
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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日本プロセス株式会社 新規事業部 サヴィオ ビジネスユニット 菊田 朋史
著者プロフィール
日本プロセス株式会社  新規事業部
サヴィオン  ビジネスユニット
菊田 朋史

1998年同社入社。オブジェクト指向でのWeb系業務システム開発に従事。アーキテクトとしていくつかの開発プロジェクトを経てサヴィオン事業に参加。現在はプリセールを担当。


INDEX
第2回:システム構築のポイント
  はじめに
業務プロセスのモデリング
  BPMアプリケーション開発
  監査・評価、そして改善・変更