それでは実際にプロセス図を描くための表現方法や各種プロパティについて説明します。ProcessModelerでは、BPMN(Business Process Modeling Notation)に略準拠しています。これによりIT技術者だけでなく、経営者や現場ユーザなどもプロセス図を直感的に解釈することが可能になります。
まずプロセス図を定義するには、ワークスペース(プロセス図の記述エリア)へ各種ステップ(アイコン)をドラッグ&ドロップします。
図2:ドラッグ&ドロップでプロセス図を定義する (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このとき、他の人の担当領域をプールのコースに見立てた『スイムレーン』を使って表現すれば、誰がどのタイミングで何をするのかといったことまでわかりやすく表記できます。
図3:ビジネスプロセス図サンプル(カスタマーサポート業務) (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
各ワークステップ(作業、システムほか)は、アクティビティ(人)、アダプタ(システム)、サブ・プロセス(階層化)を用いて表現していきます。
図4:ProcessModelerで使用するアイコン (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
プロセス図を作成する場合、「業務プロセス定義」から「シミュレーション定義」へといった流れで実施します。
図5:定義と実行の流れ(参考)
また各アイコン(ユーザ、アダプタ、条件分岐)のプロパティに詳細情報を設定することにより、ユーザは業務として何を行っているのかをより具体的に表現することができます。
設定できる代表的な項目は以下のとおりです。
項目 |
項目の概要 |
業務ステップ名 |
作業名を設定します。 |
担当者 |
作業を担当する担当者や部署、権限グループ(ロール)を設定します。 |
説明 |
作業内容や注意事項、細かな手続き等を記述します。 |
期間 |
作業期間を入力します。(作業の実作業時間については、シミュレーションの方で設定します) |
表3:設定できる代表的な項目
また、ワークステップの他に業務で流れる情報(データスロット)を設定します。
図6:各種プロパティ (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
データスロットは、業務上で扱っている項目、申請書、帳票、その他情報の名前を各ワークステップに設定するものです。業務プロセスの各段階では、遂行する上で判断材料となる情報が必要になるはずです。これをインプット情報と呼び、この情報を元に業務を実行した結果をアウトプット情報と呼びます。これらを定義することで、より具体的な業務を表現していくことが可能になります。
設定できる代表的なデータスロットの種類は以下のとおりです。
設定できるデータスロット |
データスロットの概要 |
文字列 |
業務仕様項目 |
数値 |
金額的な項目 |
文書 |
書類、帳票関連 |
日付 |
様々な日時(申請日など) |
表4:設定できる代表的なデータスロット
データスロットは、ワークステップのプロパティから設定します。
図7:データスロットの例 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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