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| JavaでAjaxアプリを書くGoogle Web Toolkit | ||||||||||||||||
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補足的に、Google Mapsや検索機能とは異質の技術も紹介しておこう。Googleは、JavaによってAjaxアプリケーションを開発する「Google Web Toolkit」というソフトを開発、公開している。 いうまでもなく、Ajaxアプリケーションを作成する主要なプログラム言語はJavaScriptである。どのWebブラウザでも利用できるプログラム言語はこれしかないので、事実上これを避けてAjax開発を行うことはできない。 しかし、全てのプログラマがJavaScriptに精通しているのかといえば、そうではない。特に注意が必要なのは、名前が似ている「Java」との関係である。「名前が似ているから似たようなプログラム言語であって、Javaプログラマに任せればすぐにJavaScriptプログラムが書けるだろう」と思う読者がいるかもしれないが、これは正しい認識ではない。 実は、JavaScriptとJavaは生まれも育ちもまったく異なる異質な言語なのだ。JavaScriptは本来「LiveScript」という名前で呼ばれた言語であり、生まれた頃に丁度沸き上がったJavaブームにあやかって名前をJavaScriptに改名したものに過ぎない。つまり、世の中に多数存在するJavaプログラマは、そのままではAjaxプログラムを開発できないのである。 このような問題に対処するために、Googleが開発したのは、JavaプログラムをJavaScriptに変換する翻訳プログラムである。これが「Google Web Toolkit(GWT)」だ。 ただし、通常のデスクトップアプリケーションとAjaxアプリケーションでは構造が異なるため、既存のJavaプログラムを持ってきて変換すればAjaxアプリケーションになる、というわけではない。あくまで、GWTが提供する構造に従ってゼロから新しくプログラムを書かねばならない。しかし、JavaScriptを学ぶという段階抜きでJavaプログラマがAjaxアプリケーションを書けるというのは魅力である。 ちなみに、JavaScriptを学べばGWT不要とまではいい切れない。というのは、たいていの場合、本格的なAjaxアプリケーションはクライアント側とサーバ側の2種類のプログラムから構成されるからである。クライアント側はWebブラウザで実行する関係上JavaScriptで書かれることが多いが、サーバ側のプログラムを書くための言語は多岐に渡っていて定番がない。 そして、開発の際に2つのプログラム言語が混在することは生産性を下げる要因になる。もしサーバ側をJavaで書くなら、GWTを用いてクライアント側もJavaで書くという方法も、1つの選択肢としてあり得るだろう。 |
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| 我が道を行くGoogleはバクシン中 | ||||||||||||||||
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このあたりでGoogleのAjax戦略についてまとめておこう。といっても、結論をいってしまえば「GoogleにAjax戦略は存在しない」ということになる。Googleは、あくまで使い勝手の良い便利なサービスを生み出し、多くの利用者を引きつけようとしているだけである。結果として、そのために生み出された技術が外部からAjaxと呼ばれているだけで、Google自身はAjaxを目標に掲げてはいない。 つまり、Googleにあるのは、我が道を行くというポリシーだけだといってもよいだろう。 それゆえに、Googleの未来を見通すのは難しい。現在、もっともAjaxで成功した企業がGoogleであるのは間違いないが、その事実はいつまでもGoogleがAjaxに依存した企業であり続けることを保証しない。いつ何時、GoogleがAjaxの枠組みに収まらない「超」Ajaxサービスをはじめるとも限らない。 そう。Googleとは「我が道を行く」トップランナーなのである。 |
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| 次回予告 | ||||||||||||||||
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次回は、インターネットの頂点をGoogleと競い合う老舗Yahoo!のAjax戦略について取り上げよう。 Yahoo!は老舗ではあるが、後発のGoogleによって立場を脅かされている。そして、脅かされる要因となったのがAjaxということになる。しかし、Yahoo!も老舗とはいえ老いたというには、まだまだ若すぎる存在である。 リッチなAjax技術体系を構築して巻き返すYahoo!のAjax戦略は要チェックである。 |
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