第1回:オープンソースMondo Rescueによるバックアップ手法 (2/3)

改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - バックアップ編

第1回:オープンソースMondo Rescueによるバックアップ手法
著者:日本ヒューレットパッカード  古賀 政純   2006/12/8
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Mondo RescueによるリカバリDVDの作成

   Mondo Rescueは、バックアップを行うシステム上にインストールします。インストールに必要なRPMパッケージは、「mindi」「mondo」「afio」「buffer」「lzo」「lzop」です。それぞれ以下のURLからダウンロードしてください(これらのRPMパッケージはベンダーのサポートがありません。利用の際には自己責任となりますので注意してください)。
「mindi」「mondo」「afio」「buffer」のダウンロードサイト
http://mondorescue.linjection.org/ftp/
「lzo」のダウンロードサイト
http://dag.wieers.com/packages/lzo/
「lzop」のダウンロードサイト
http://dag.wieers.com/packages/lzop/

   すべてのRPMを入手したら、バックアップ対象のRed Hat Enterprise Linuxサーバ上でインストールします。

# rpm -vhi mindi-1.0.8-4.rhel4.i386.rpm ← mindiのインストール
# rpm -vhi afio-2.4.7-1.i586.rpm ← afioのインストール
# rpm -vhi mondo-2.0.8-4.rhel4.i386.rpm ← mondoのインストール
# rpm -vhi buffer-1.19-1.i386.rpm ← bufferのインストール
# rpm -vhi lzo-1.08-4.2.el4.rf.i386.rpm ← 圧縮ライブラリのインストール
# rpm -vhi lzop-1.01-1.2.el4.rf.i386.rpm ← 圧縮ユーティリティのインストール

   以上でMondo Rescueのインストールは完了です。lzoとlzopパッケージは、isoイメージからDVDを作成する際に、システムディスクのファイルを圧縮するのに必要です。Mondo Rescueによってシステムディスクのファイルを圧縮したものをDVDイメージとしてバックアップしたい場合には、必ずインストールしておいてください。

   これでMondo Rescueは利用可能な状況になりました。

   次にisoイメージを作成しDVDにバックアップします。通常システムディスクは数十GBの容量しかないため、バックアップ対象であるディスクのデータを圧縮しても、DVDが複数枚になることはめずらしくありません。

   したがって生成されるisoイメージは、リモートにある大容量のストレージを備えたファイルサーバにNFSマウントして保管する方が現実的でしょう。以降ではisoイメージの保管場所として、NFSサーバの「/data/MondoRescue」を利用する場合の手順を紹介します。

   バックアップサーバ側では、「/data/」以下をNFSクライアントに提供できている前提で解説します。さらにバックアップサーバ側で、isoイメージを保管するディレクトリを作成します。

# mkdir -p /data/MondoRescue ←NFSサーバ側でisoイメージ保管用ディレクトリを用意

   次に、バックアップ対象のマシンでNFSマウント専用のディレクトリを作成します。

# mkdir /nfs ←バックアップ対象のマシンでNFSマウント用ディレクトリを作成

   NFSマウント専用のディレクトリが作成できたら、バックアップ対象のマシンからNFSサーバ(IPアドレスは、172.16.10.200と設定)に対して、NFSマウントを行います。

# mount -t nfs 172.16.10.200:/data/MondoRescue /nfs ← NFSマウント

   これでNFSサーバへのバックアップの準備は整いました。Mondo Rescueによってisoイメージの出力先を「/nfs」に指定すれば、NFSサーバの「/data/MondoRescue」ディレクトリに保管されます。生成されるバックアップイメージファイルによって、バックアップ対象マシンのローカルディスクの空き容量を圧迫することなくバックアップイメージの作成が可能になります。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第1回:オープンソースMondo Rescueによるバックアップ手法
  バックアップとは
Mondo RescueによるリカバリDVDの作成
  isoイメージの作成
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - バックアップ編
第1回 オープンソースMondo Rescueによるバックアップ手法
第2回 NetVault for Linuxを使ったバックアップ
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - ネットワークサービス編
第1回 Webサーバの基本「Apache」
第2回 3つのファイルサーバ「NFS & FTP & Samba」
第3回 IPアドレスを管理する「DHCPサーバ」と通信の橋渡し「NATルータ」
第4回 NATサーバに必要なファイアウォール設定とデータベースサーバ、メールサーバ
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - 管理ツール編
第1回 現実路線のサーバ管理ソフトウェア
第2回 手軽なWeb管理ツールと強力な専用ツール
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - サーバ編
第1回 ブレードサーバとLinux
第2回 HAクラスタとバックアップ
第3回 データレプリケーションとWebサーバの構築の基本
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - インストール編
第1回 Red Hat Enterprise Linuxの概要
第2回 インストールの方法とサポート状況の確認
第3回 インストールとNICの設定
第4回 インストール後に行う設定
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 管理編
第1回 外部ストレージの設定と運用について
第2回 RHEL4におけるユーザ管理
第3回 RHEL4におけるシステム管理とSIMについて
第4回 RHEL4におけるOSのチューニング
改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 - クラスタ編
第1回 LinuxでもHAクラスタ
第2回 Serviceguard for Linuxでクラスタ環境の管理

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