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前編:次世代ネットワーク、コミュニケーションナレッジマネジメント、CRM、2007年問題

著者:ThinkIT編集局   2007/1/10
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2007年問題
2007年、システムリプレースは緩やかに進むか

   2007年、いわゆる団塊の世代のうち、一番数が多い昭和22年(1947年)生まれの人々が60歳となり、定年を迎える年となる。そのため情報システム部門ではメインフレームなどの基幹業務システムを開発・保守してきた世代が一斉に引退することになり、多くの企業で既存システムの維持継続が困難になることが懸念されている。また国内でまだ多数が稼働しているメーカー/ベンダー独自仕様のメインフレームやミニコン、オフコンの保守期限の終わりが近づいていることも懸念事項になっている。これがIT業界における「2007年問題」だ。

   ただし2007年問題といっても、2000年問題のようにその年になって問題が露見するのとは異なるものだ。従来のシステムを支えてきたメインフレーム世代の引退が直接的な問題となるものの、システムの動作そのものに影響を与えるものではないからだ。

   しかし、2007年は徐々に日本のソフト業界の産業構造が変化していく節目としてとらえられており、レガシーシステムのハードやベンダー提供のソフトなど、保守が打切られるシステムに対処するマイグレーション作業と、老朽化資産の廃棄を急ぐことが取り沙汰される年となるだろう。

   また「何を」「どこに」「どのように」マイグレーションするのかについてが、汎用機などを利用している大企業の最重要課題となる。しかし実際には企業規模にかかわらず、情報システムの部門スタッフがリタイアするのを契機に、一斉に現行のサーバやアプリケーションを新規に入れ替える動きが加速するとは考えにくい。

   なぜなら、まだ充分使えるシステムが正常稼動しているのならば、使える範囲で利用し続けるという方針の企業も多いからだ。2007年問題がシステムリプレースの契機となる可能性はあるだろうが、新たなシステムへの移行スピードは緩いとみられる。

   2007年問題はシステムのリプレース問題だけではない。冒頭にあげたような雇用問題もあり、ITへの戦略の取り組み方によっては、企業経営を左右する問題となりうるのだ。ここで確固たる基礎を構築できるかが、数年に渡り影響していくだろう。

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