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Know HowからKnow Whoへ 〜社内SNS構築指南
第2回:社内SNSと一般的なSNSの決定的な違い
著者:
TIS 倉貫 義人
2007/4/10
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機能別にみた特徴
次に機能別にそれぞれの特徴を解説していきます。以降ではTISで導入した社内SNSの事例を元に解説していますので、一般的な社内SNSと異なる点があるかもしれません。
マイページで情報の集約
前回解説したように、TISの社内SNSにはポータル機能を持たせたいという狙いがあるため、ログイン直後の画面はマイページという個人用にカスタマイズされたトップページを用意しています。
図2:マイページとプロフィール画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
ここには関連する情報を集約し、最新情報を表示するようにしています。ログイン直後の画面が常に更新されていれば、毎日ログインしたくなる気持ちになることを狙っています。また会社にとって重要な情報もマイページに表示し、会社全体に情報を行きわたらせることが可能となります。
ユーザのプロフィール画面は、マイページとは別に登録者ごとに用意しています。先ほども述べましたが、内線番号や部署名などは登録時に必須事項としています。
ブログでナレッジを蓄積
コミュニケーションに含まれる「暗黙知」を蓄積するためには、ブログ機能が非常に重要です。
ブログの良いところは、「自分にとってはくだらない」と思えることでも、気軽に書き込める点です。そして書いておけば他の誰かにとっての有益なノウハウになる可能性もあります。
Web 2.0では「集合知」といったキーワードがでてきますが、「多くの人の知識や知恵を持ち寄ってナレッジを作り上げよう」というものと、「個々人が好きなように知識や知恵を出しあった結果をコンピュータで集約してナレッジにしていこう」という2種類があります。
前者は、Wikipediaの考え方で広がりを見せていますが、社内SNSでは後者の方が向いています。なぜなら、仕事以外で業務的な負担を増やしてしまうとツールが利用されなくなるためです。
図3:ブログ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
社内SNSのブログでは、特に以下の3つの点を工夫しています。
入力インターフェースの簡略化
フィードバックの促進
公開範囲の設定と監査証跡
表2:ブログ機能の工夫
社内システムの場合、利用者全員のITリテラシが高いわけではないので、なるべく容易に投稿できる仕組みが必要です。そこで、Wikiのような記法で投稿できるほかに、リッチテキストエディタを組み込んで、WordやExcelで書いた内容を貼付けられるようにし、入力形式に幅を持たせました。
またブログの投稿数を増やすためには、なるべく多くのフィードバックを投稿者自身に感じてもらう必要があります。さらにフィードバックをする側の抵抗感も減らす必要があるでしょう。そのために、いくつかの手段を段階的に用意しています。
図4:ブログへのフィードバック手段
また、社内SNSで半業務的に利用することを想定し、公開範囲の設定ができるようにしています。これにより閲覧者を制御した機密情報も投稿可能です。この設定は、ブログやファイルなどにも適用できます。同時に、図4にある通りエントリごとに足跡を残しているため、監査証跡にも転用可能です。
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著者プロフィール
TIS株式会社 倉貫 義人
基盤技術センター所属。社内の技術支援をするかたわら、社内SNS構築のプロジェクトマネージャ兼メインプログラマとして従事している。一方で、eXtreme Programmingというアジャイル開発の研究・実践を行い、XP日本ユーザグループの代表もつとめている。
情報共有ソーシャルウェア/社内SNS「SKIP」
http://www.skipaas.jp/
XP日本ユーザグループ
http://www.xpjug.org/
INDEX
第2回:社内SNSと一般的なSNSの決定的な違い
社内SNSの特徴と制約
機能別にみた特徴
Q&A機能でノウハウの共有
アンテナで必要な情報はもらさずキャッチ