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PODシステムによるモチベーションのアップ
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筆者は日本においても、このような個人が受けるストレスの軽減を目指すべきであり、社員満足度を高め、気持ちよく仕事をして、モチベーションを上げることこそが「生産性=会社利益」と考え「PODシステム」を開発した。
PODとは「Point of Depression(その時の抑うつ度測定=メンタルコンディションチェッカー)」の意味である。その機能を大別すると以下のようになる。
- ストレス許容値と現在のストレスの測定
- ストレス値の時系列的な記録と発症可能性の判断
- ストレスの原因調査
- ストレス時の行動特性(自虐的・排他的・攻撃的・ひきこもりなど)の傾向測定
表4:PODが備えている機能
これらの測定・調査をASP上で行い「早期発見・早期治療」を目指している。
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採用時用の「POD-One」と既存社員用の「POD-Two」
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PODには採用時用の「POD-One」と既存社員用の「POD-Two」という2つの種類がある。
POD-Oneでは採用時に、ストレス特性を判断するために使用する。職種に合わせた採用をすることによって、ミスマッチが起きなくなるというメリットがある。
図2:POD-Oneによる採用時のストレス特性判断 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
またPOD-Twoでは、既存社員のメンタルコンディションを把握し、労使間における最良な状態を形成することを目的としている。
図3:POD-Twoによる既存社員のメンタルコンディションの把握 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
実は、日本で大きく収益を上げている企業では、何らかの形でこのようなシステムを導入している。下記の例は、TISの例である。
図4:実際にPODを導入している企業の1例 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
TISでは3ヶ月に1回の割合で、Webサイトを使って設問が送られる。パソコン上では簡易結果やメッセージの閲覧が可能だ。診断結果で、抑うつ症の可能性が指摘された社員に対しては産業医が直接問診を行う。
その間は、社員の上司、部門長、人事担当者などの会社関係者には連絡は行かない。重度の抑うつ症がみとめられた社員の場合は、長期休暇や人事異動などの対策を会社関係者と行い、治癒に向けて協議・実施する。
これらの施策は大企業から取り組んでいるが、筆者らは中小企業も対象にしたこのPODシステムをASPで提供することで、会社と社員、社員同士の最適な関係づくりを構築するサービスの提供をはじめている。
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次回は
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次回は「なぜ、プロジェクトは失敗するのか」をテーマに、組織としてうまく稼動しない原因となる事柄や配置によるマンパワーの違い、最適なプロジェクトチームを編成する方策について紹介する。
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著者プロフィール
株式会社ベストソリューション 乘浜 誠二
1982年に中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、エネルギー関連の商社や朝日(現あずさ)監査法人国際事業部を経て、1994年にベストソリューションを設立。システム構築上での業務プロセスの効率化や簡素化などを実践する。現在、NPO日本アクションラーニング協会発起人やNPO日本語表現力協会理事、外資系情報産業研究会副会長、小樽商科大学大学院非常勤講師などを勤める。
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