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OpenSolarisではじめる本格エンタープライズシステム構築

第3回:徹底活用!!オープンソースソフトウェア

著者:サン・マイクロシステムズ  塚田 大輔   2007/6/18
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インストール後の設定

   インストールが完了したらMySQLのセットアップを行います。セキュリティやパフォーマンスチューニングなど設定すべき内容は多数ありますが、スペースが限られるため、本連載ではMySQLの初期設定に必要な次の2項目のみ説明します。
  • オプション設定ファイル(/etc/my.cnf)の編集
  • MySQLの初期化

表2:MySQLの初期設定に必要な項目

   まずMySQLのオプション設定ファイル「/etc/my.cnf」を作成し、編集します。「/opt/mysql/mysql/support-files」ディレクトリ内にある「my-*.cnf」ファイルの中から利用環境にあったものをコピーし、それを編集します。

   次の例では「my-medium.cnf」ファイルをもとに「/etc/my.cnf」ファイルを作成し、エディタで編集します。

# cd /opt/mysql/mysql/support-files
# cp my-medium.cnf /etc/my.cnf
# vi /etc/my.cnf

   ここでは、mysqldグループにbasedir行とdatadir行を追加します。

<省略>
# The MySQL server
[mysqld]
<途中省略>
basedir=/usr/local/mysql ← インストールディレクトリのパス
datadir=/usr/local/mysql/data ← MySQLのデータディレクトリ

<以下省略>

   オプション設定ファイルを編集した後、MySQLの初期化のために「mysql_install_db」スクリプトを実行します。

# ./scripts/mysql_install_db --user=mysql
Installing MySQL system tables...
OK
Filling help tables...
OK
<以下省略>


MySQL 5をSMFへ登録する

   最後に、インストールしたMySQL 5を「SMF(Service Management Facility)」へ登録します。MySQL 5をSMFを登録すると、システムの起動・停止にあわせてMySQLが自動的に起動・停止されます。

   SMFはSolaris 10から追加された新機能です。システムが提供するサービス(リモートログインやファイル転送、メールの送受信、HTTPサーバなど)の管理を簡素化し、システム管理者に一貫した管理方法を提供します。さらにサービスを提供するプロセスに障害が発生したり誤って停止した場合に、プロセスを自動的に再起動する仕組みも実現可能です。

   それでは、MySQLをSMFを登録する手順を説明します。まずMySQL 5をSMFに登録するために必要な情報が記述されたXMLファイル(マニフェストと呼びます)を用意します。

   幸いなことに、benrさんのBlogでMySQLのためのマニフェストが公開されて入手可能です。今回はこれを利用します。


   それでは入手したマニフェストを「/var/svc/manifest/application/mysql.xml」へコピーします。

# cp mysql.xml /var/svc/manifest/application/mysql.xml

   利用環境にあわせてマニフェストの内容をエディタで編集します。変更が必要な箇所の1つとして、MySQLを起動・停止するためのコマンドやスクリプトのパスがあげられます。

   次の例では、MySQLの「起動(start)」「停止(stop)」に「/opt/mysql/mysql/support-files/mysql.server」スクリプトを実行します。ログファイルを閉じてまた開く時(refresh)時には 「mysqladmin」コマンドを実行するよう設定しています。

<exec_method
        type="method"
        name="start"
        exec="/opt/mysql/mysql/support-files/mysql.server start" timeout_seconds="60"/>

<exec_method
        type="method"
        name="stop"
        exec="/opt/mysql/mysql/support-files/mysql.server stop" timeout_seconds="60"/>

<exec_method
        type="method"
        name="refresh"
        exec="/usr/local/mysql/bin/mysqladmin -u user_name
        -h host_name --password=password refresh" timeout_seconds="60"/>
(以下省略)

   マニフェストの設定が完了したら、svccfgコマンドを使ってSMFへ登録します。

# svccfg validate /var/svc/manifest/application /mysql.xml
# svccfg import /var/svc/manifest/application /mysql.xml

   svcsコマンドを使うと、サービスの状態を確認することができます。

# svcs -a | grep mysql
maintenance     19:28:47 svc:/application/mysql:default

   では、svcadmコマンドを使ってSMFからMySQLを起動します。

# svcadm enable svc:application/mysql
# svcs -a | grep mysql
online           21:21:08 svc:/application/mysql:default

   ここまでで説明した設定手順のほか、MySQLの管理者パスワードを設定したり、データベースへのアクセス権限を適切に設定したりする必要がありますが、ここではスペースが限られるため割愛します。

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サン・マイクロシステムズ株式会社 塚田 大輔
著者プロフィール
サン・マイクロシステムズ株式会社  塚田 大輔
システムズ・ビジネス統括本部
サーバ製品の販売プロモーションを担当する部署に所属しています。現在は、マルチコア・プロセッサや仮想化技術を活用し、WebサーバなどWeb層、アプリケーション層のサーバ統合のソリューション開発や提案に取り組んでいます。


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第3回:徹底活用!!オープンソースソフトウェア
  Solaris Expressでアプリケーション構築環境を作ろう
インストール後の設定
  PHP 5をインストールする
  Apache 2をセットアップする