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NFSクライアントからの接続テスト
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NFSクライアントからの接続テストには「mountコマンド」を利用します。NFSの場合は、mountコマンドに「-t nfs」を付加し、NFSサーバのホスト名あるいはIPアドレスを指定します。NFSサーバのホスト名またはIPアドレスの後ろに「:」を記述しその後ろにNFSエキスポートしているディレクトリを記述し、最後にNFSクライアント側のマウントポイントを指定します。
# mount -t nfs4 172.16.10.50:/var/www/html /mnt
この場合「172.16.10.50:/var/www/html」はNFSサーバ「172.16.10.50」のNFSエキスポートディレクトリ「/var/www/html」で、「/mnt」はNFSクライアント側のマウントポイントを指します。Red Hat Enterprise Linux 5ではNFSバージョン4をサポートしており、NFSクライアント側からmountオプションとして「-t nfs4」が用意されています。もし「-t nfs」と指定すると、NFSバージョン4未満で接続します。
/mntにマウントが成功すると、/mnt以下にNFSサーバのNFSエキスポートディレクトリである「/var/www/html」が表示されます。図10ではlsコマンドによってNFSエキスポートされたディレクトリ「/var/www/html」に保存されているWebコンテンツファイルtest.thmlを表示しています。
図10:NFSマウントを行った様子 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
次にNFSエキスポートされたディレクトリ「/var/www/html」にNFSマウントした状態で新規ファイルの作成をテストします。NFSサーバの「/etc/exports」では、読み書き可能に設定してあるのでファイルが生成できないといけません。NFSクライアント上でechoコマンドなどを使ってテスト用のサンプルファイルを生成してみましょう。
# echo 'Hello NFS Server' > /mnt/test2.html
このコマンドを実行することでファイルが生成できればNFSサービスは正常に稼動していることがわかります。
図11:echoコマンドでファイルを生成してみる (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
以上で、NFSサーバの設定とNFSクライアントからの接続テストは終わりました。NFSサービスは「/etc/exports」ファイルの記述がポイントになりますが、設定できるパラメータも多種多様です。またNFSクライアント側のmountコマンドのオプションもパフォーマンスに大きく影響しますので、NFSサーバ側とNFSクライアント側の両方の設定をよく熟知しておく必要があります。
NFSはとくにパフォーマンスが要求されるようなシステムで利用されることが多く、パラメータのチューニングはそのシステムごとによって大きく異なります。NFSサーバを構築する場合は、性能試験、負荷試験を十分に行ってから導入を検討してください。
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NFSクライアントで生成したWebコンテンツをWebブラウザで確認
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先ほどNFSエキスポートされた「/var/www/html」ディレクトリにマウントし、サンプルとなるtest2.htmlファイルを生成したので、NFSサーバ上でWebサービスを起動し「/var/www/html」をWebサービスとしてクライアントに提供すれば「test2.html」をWebブラウザで参照できます。
まず「linksコマンド」を使ってコマンドラインからtest2.htmlが表示されるかを確認します。
# links -dump http://172.16.10.50/test2.html
図12:linksコマンドでtest2.htmlが表示されるかを確認 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
またWebブラウザでも確認しておきましょう。
図13:Webブラウザからtest2.htmlが表示されるかを確認 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このようにWebサーバにNFSサーバを兼用させると、Webサーバのコンテンツ管理をNFSクライアントから容易に行うことが可能になります。WebコンテンツやHTTP配信を行うデータなどをLinuxのNFSクライアントで作成している環境などでは、NFSクライアントからマウントしておくとファイルの管理効率が上がります。
FTPやSambaで管理する場合も同様です。WindowsクライアントでWebコンテンツを管理しているが、WebサーバがLinuxの場合は「/var/www/html」ディレクトリをSamba共有フォルダに設定すればよいのです。
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NFSサーバにおいて最低限知っておくべき項目
- NFSサーバ側の/etc/exportsファイルの設定をマスターせよ
- service nfs startでNFSサービスが起動する
- showmount -e localhostによりNFSエキスポートされているディレクトリを確認せよ
- NFSクライアントではmountコマンドに「-t nfs」または「-t nfs4」を付加してNFSエキスポートされたディレクトリをマウントせよ
- Apache Webサーバの提供する/var/www/htmlをNFSマウントすれば、NFSクライアントがLinuxの場合にWebコンテンツの管理が容易になる
- NFSサーバ、Sambaサーバ、FTPサーバの選択は、クライアントの利用形態を考慮せよ
- NFS v.4にはrpc.idmapd, nfs, nfsmount が必要となる
- NFS v.4の場合、mountコマンドのオプションとして -t nfs4を指定する
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。
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