このようにMac OS X Serverは、Power Mac G4以降のApple製デスクトップ型マシンおよびサーバ型マシンであれば動作します。SOHOなどでMac OS X Serverを導入する場合は、すでに手持ちのMacや中古機を使うケースも多くみられます。
PowerBook G4やMacBook Proといったノート型コンピュータを使った場合の動作は保証されていません。ただ、AppleのデモなどでPowerBook G4上でMac OS X Serverが動作している場面をみたことのある方もいるかと思います。つまり「動作の保証がされていないが、動かないわけではない」と理解してください。自己責任でいろいろ試してみる分には、ノート型にインストールしてもかまわないでしょう。
もちろん、一番簡単にMac OS X Serverを使用したいなら、専用ハードウェアである「Xserve」を購入することをお勧めします。ただし、Xserveはラックマウントのサーバマシンであるため、設置場所に苦労する可能性があります。SOHOなどでは机の上に「どーん」という感じでXserveが置かれていることがありますが、セキュリティの観点からすると、鍵のかかるラックに収めるのが望ましいでしょう。
Mac OS X Serverのメリットや特徴はいろいろあげられますが、最大のチャームポイントはわかりやすいGUIだといえるでしょう。iMacやMacBookで使われているMac OS Xと共通のGUIを操作するだけで、後に紹介する機能をすべて利用することができます。専任のサーバ管理者を置くことができないSOHOにおいては「簡単に使える」ことが重要です。
そしてSOHOから大企業まで、ほとんどのMac OS X Severユーザが着目しているのが、その「安さ」です。10クライアント版の価格が52,000円(税込み)、Unlimitedクライアント版に至っては98,000円(税込み)となっています。
複数のサーバマシンが必要な場合など、サーバOSを複数購入する場合は、ボリュームライセンスも用意されています。きちんとしたサポートが提供される製品としては、バーゲンプライスといえるでしょう。Windows NT Serverを使用していた企業が次のサーバOSを検討するにあたって、このクライアントライセンスの安さを理由にMac OS X Serverの導入を決めたケースもあります。
Mac OS X Serverでできること
Mac OS X Serverは、クライアント用OSのMac OS Xと同じ成り立ちを経ているため、多くの共通点があります。Mac OS X上で動くアプリケーションは基本的にMac OS X Serverでも動作します。ちなみに、一般的なサーバに求められるファイル共有やWebサーバ、FTPサービス、プリンタ共有などといった機能はMac OS Xでも利用可能です。
しかしMac OS X Serverを導入すれば、サーバとしてより高度な機能を「セキュアに」使用することが可能になります。
Mac OS X Serverが提供する機能を表2にあげました。ここにあげた機能の多くは、クライアントがMacではなくても有用なものです。実際、クライアントがWindowsマシンばかりの企業でも、Mac OS X Serverを導入した例はあります。