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第2回:モチベーションの維持とモラールマネジメント

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/8/6
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問題解決のアクションプラン

   ここで「問題分析の4P」というものを説明しよう。これは発見された問題について、以下の4つのマトリックスの中に位置付けてみることで「本来の問題」、つまり「潜在的な問題」を見出すことができるものだ。こうやって分けてみることで、問題を抱えているステークホルダーや影響度合いから、優先順位を整理することで問題解決の有効性が判断できるのではないだろうか。
問題分析の4P
図1:問題分析の4P

   このように優先順位の高い問題点(潜在的な問題)が整理できたら、次は問題解決の手順を検討する必要がある。「誰が、何を、どのように解決していくか」という問題解決のアクションプランを検討していくのである。この場合、その問題1つ1つを解決するためのボリュームと必要な時間を整理しておく必要があろう。

問題解決の手順
図2:問題解決の手順


モラールマネジメント

   組織において新しい取り組みが行われようとすると、人の士気(モラール)は図3のように変化するようである。

個人のモラールの変遷
図3:個人のモラールの変遷

   例えば、新規事業などを立ち上げようとする場合、その準備段階の初期においては、新しいことへのチャレンジや将来への大きな期待から過度な期待を寄せるものである。しかし、しばらく進めていくうちに、組織間の弊害や解決しなければいけない問題が山積みとなって、落胆する時期がやってくる。この時期に多くの社員のモチベーションが低下し、組織を離れていく社員が多く出てくることも事実である。

   この後、多くの問題点を解決していきながら、いよいよ新規事業のカットオーバーの時期を迎えるわけであるが、この段階はカットオーバーにむけての混乱が発生する時期でもある。

   モラールマネジメントでは、この4つの時期において、経営者を巻き込んだ関係者へのプロモーションをどのように展開していくかが重要なキーになってくる。例えば、関係者の期待が大きければ大きいほど、その次にやってくる落胆は大きくなってしまう。

   従って、新規事業への期待と落胆の大きさを想定し、そのギャップを最小限におさえるプログラムを検討しなければならない。また期待の大きいプログラムほど、経営者の参画が必要とされる。

   この新規事業を展開していくマネジメントは、プログラムの進捗度合いに応じて社員のモラールが「期待」「落胆」「混乱」「沈滞」に分かれるどの時期にあるかどうかを確認しながら、社員のモラールを変革させて必要があるといえるだろう。

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株式会社オープンストリーム 赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


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