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チームビルディング
企業価値を高める強いチームの創成

第2回:モチベーションの維持とモラールマネジメント

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/8/6
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チームが抱える課題

   チームを運営していく上では、どのような問題が発生するだろうか。一般的によく目にする問題点を表1に整理してみた。読者の皆さんにも思いあたるものがあるのではないか。
  • 従業員の仕事に対する意識が低下している
  • いい人材の採用が難しい
  • 従業員教育を行っているが、期待通りの効果が得られない
  • 1人前に育てても、退職者が出てしまう
  • 受注は多いのに利益が出ない・売上が伸びない
  • 顧客との納品期限に遅れることが多い

表1:チームを運営していく上で一般的によく目にする問題点を整理

   もちろん企業によって抱えている問題はそれぞれ異なるもので、上記のようなもの以外にも様々な問題があると思われる。ただし、ここで認識しておかなければいけないのは、上記の問題点は一見異なるように思われるが実はすべてに相関関係があるということである。

   ここに記載された問題点は表面に顕在化するものであり、実はもっと重要な根幹の問題点を見落としているケースが多々見受けられる場合がある。では、それらはどのようなものであろうか?


潜在化する問題とモチベーションの維持

   一般的に企業では問題が新たに発生した時、どのように対応されているだろうか。おそらく1つの問題が発生するたびにその解決策を探し、何らかの対応を検討するのが一般的ではないだろうか。

   しかし、このやり方に「真の問題発見の勘違い」がある。

   その勘違いとは、次の2つである。

勘違い1
それぞれの新しい問題に対応するために決められた新たな「ルール」が、既存のルールとの矛盾を持っている可能性がある。そのため従業員は問題に直面したとき、思考に迷いや躊躇を感じてモチベーションが下がり、能力を最大限に発揮することができなくなるということである。
勘違い2
その新しい問題が根本的な原因ではなく、今起こっている問題は単なる症状に過ぎない可能性がある。つまりその問題を引き起こす根本的な原因が他にある場合、解決するために決めた「対応策」や「規則」は対症療法に過ぎないということである。

表2:真の問題発見の勘違い

   多くの企業の組織やプロジェクトで見受けられるのが「勘違い2」による対症療法によるやり方だ。これは結果的に社員に余計な負荷をかけるだけで、モチベーションが著しく低下したまま終わっているケースが多く見受けられる。

   しかし先ほどあげたような企業組織に存在する様々な問題(症状)について、「因果関係」を結びつけていくことで、すべての問題の根本となっている原因(潜在化している問題点)を見つけることができるのだ。

   つまりその潜在化した問題こそが組織が現在持っている制約条件ということになる。

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株式会社オープンストリーム 赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


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