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第3回:ビジョンの共有とリーダーの条件

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/8/21
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リーダーシップとは

   リーダーシップとは、通常の環境下で特定目標の実現に向かって個人または集団の活動に対して影響を与える力(パワー)を発揮していくためのプロセスをいう。図2において、企業の各レイヤーにおいて必要なリーダーシップのプロセスを定義してみた。
企業構造とリーダーシップ
図2:企業構造とリーダーシップ


バリューリーダーシップ(Value Leadership):ビジョンを展開するリーダーシップ

   これは、トップマネジメントにおけるリーダーシップのプロセスで、組織の使命・価値観・ビジョンを示し、浸透させていくことである。変革を進めていくために、企業としての変革を行う意味や価値をオペレーション層にまで、理解させていく必要がある。ここで要求されることは、経営者の強いリーダーシップが不可欠であるということである。

   経営者に求められるのは、明確なビジョンの設定により、個人やチームの自律的活動に方向性を持たせること、経営者が自ら率先垂範してビジョン・価値観の共有を推進することである。

   また経営者や監督者が、自ら現場を歩き回り、ビジョン・価値観を浸透させていくことが一番重要であることはいうまでもない。


マネジメントリーダーシップ(Management Leadership):プロセスを実現するリーダーシップ

   マネジメントリーダーシップには2つの要素が求められる。それは「強み・スタイルを理解する」ことと「行動・表現のスタイルを理解する」ことである。


強み・スタイルを理解する

   最小限、つまり1対1程度でのリーダーシップを考える場合、各人の持つ強みを自然に活用し、リーダーシップを発揮することを考えなければならない。

   ここで重要なことは「自分を理解する」ということだ。自分の持てる力・強み・好みはどのようなものか、これらを有効に使いながら、自分は他者に影響を与えながらリードできているか、などを知る必要がある。

   次に相手、つまり個人や集団を理解することで、相手の持つ力・強み・好みを知ることも重要である。これらから個人や相手の持つ強みを知り、使いすぎ、使わなさすぎをやめて適度に使ってものごとの生産性を上げていくリーダーシップの考え方である。


行動・表現のスタイルを理解する

   これは、チームでのリーダーシップを発揮する場合に必要となってくるプロセスで、内面の考えや感情をオープンに表に出し、外面の言葉と行動と合致させながら複数のメンバーをリードしていく。

   表現のスタイルをベースにした間違ったリーダーシップをよく見かける。リーダーが部下に対して過剰な、自然でない防衛的な行動をとっている場合がある。例えば、業績が不安だから怒鳴り、いう通りにしないといって腹を立て、無力感を味わうことが悲しくて、つい愚痴ってしまう。このようなスタンスは最悪のリーダーシップである。

   自分の行動・表現のスタイルを理解し、自分で意思決定し、その結果に責任を持ち、多少の困難があってもやり抜いていくという挑戦心を持ち続けることが重要となる。

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株式会社オープンストリーム 赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


INDEX
第3回:ビジョンの共有とリーダーの条件
  ビジョンとは
リーダーシップとは
  イノベーションリーダーシップ(Innovation Leadership):「創造性+実践」のリーダーシップ