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第3回:ビジョンの共有とリーダーの条件

著者:オープンストリーム  赤穂 満   2007/8/21
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ビジョンとは

   ここでいうビジョン(vision)とは「企業の将来像、進むべき方向性」という意味で使われる。「企業ビジョン」として使う場合、企業が今後どのような将来像や構想を描いているかを示し、ビジョンを出発点に目標や戦略が立てられ、具体的な行動計画の作成に繋がることになる。

   中長期的な課題に対する意思決定においては、「戦略」を策定して、情報技術の業界への影響を含む将来の経営環境を予測し、自社の企業価値の向上を目指すことが重要となる。

   ビジネスモデルの全体像と戦略目標を踏まえた上で、さらに必要な要素を詳細にブレークダウンしながら関係者間で議論や検討をしていくことによって、個々の要素との関係がより明確になっていく。

   ビジョンと戦略の関係を図1に示す。
ビジョンと戦略マップの関係
図1:ビジョンと戦略マップの関係
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   例えば企業において、経営者が中長期的なビジョンと戦略を立案したとする。その実現をに向けて、いきなりオペレーション層である現場に落とすことは考えられない。

   恐らく、企業ビジョンと経営戦略から各事業に責任を持つ担当役員なり事業部長が各事業に係わる事業のビジョンと戦略、大まかな活動計画にブレークダウンするはずである。この後、製造部門や販売部門の責任者が年間の達成目標と活動計画を立てていくことになる。

   リーダーシップが発揮される1つの例として、経営者のビジョンと経営戦略をミドルマネジメント層に十分に理解させ、実現可能な事業戦略・事業計画を立てさせることが重要である。

   この段階で、ミドルマネジメント層が「やらされている」という受動的な態度であれば、その後の各部門の達成目標や活動計画がうまくいくはずが無いからである。

   つまり、経営者のビジョン・ポリシーについて、担当役員、事業部長、さらには部課長までうまく伝承・理解されて、はじめてリーダーシップが成功したといえるのである。

   逆に言えば、経営者のビジョン・ポリシーが明確でない企業において、リーダーシップは発揮されないのである。それは、何のための活動であり目標なのか、という根本的な問題が払拭されないからである。

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株式会社オープンストリーム 赤穂 満
著者プロフィール
株式会社オープンストリーム  赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。


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