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ストレージ環境の仮想化とは何か
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ディスク環境の仮想化とは「複数のストレージ装置を論理的に1つのディスク装置としてサーバに提供すること」である。
ここでは仮想化ディスクのメリットを、ディスクのスペース管理/バックアップ管理/パフォーマンス管理の3つ観点から紐解いてみよう。
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ディスクのスペース管理
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例えばシステム運用で、SAPなどのパッケージアプリケーションで使用するデータベースのディスク使用率が高くなりすぎ、データベースをより大きな容量のディスクへと移行しなければならなくなってしまった、といった経験はないだろうか。
これはシステム導入時に見積もったデータ増加率を超えてしまったことが原因だが、データ増加率が見積もり通りにならないケースは、多くのシステムを運用する環境ではそう特殊な例ではないだろう。
このように空き容量が不足した場合、仮想化ディスクのオンライン無停止データ移行機能を活用すれば、パッケージアプリケーションが使用しているデータベースをより広い空きスペースがあるディスク装置へと「システムを運用しながら」移行できる。
また、新しいディスクを購入してシステムに導入する際にも、仮想化ディスクのデータ移行機能を利用することが可能だ。本番業務を停止しても実害の少ない深夜や週末にデータ移行を行うといったことは、仮想化ディスクを使うことでもはや必要なくなるのだ(図2)。

図2:新規ディスクへのオンライン無停止データ移行 Copyright IBM Corporation 2007 / Copyright IBM Japan, Ltd. 2007
このように、データ移行に代表されるディスクスペース管理は、仮想化ストレージ任せることにより運用ワークロードを削減させるメリットがある。
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バックアップ管理
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仮想化ディスクの2番目のメリットとして、バックアップ運用で効果を発揮する「高速コピー機能」があげられる。
ITシステムの運用では、データのバックアップが重要な管理項目の1つとなる。もしもバックアップ運用が不完全であるならば、万一のディスク障時には大切な本番データを失ってしまいかねない。
例えば、上場企業では定期的な決算報告が義務付けられており、さらに正しい決算データによる報告書の公開は信頼される企業として社会に認知されるための条件の1つとなっている。
ところが近年のデータ増加に伴って、従来のように本番用データを直接テープにバックアップする運用では「バックアップ時間がかかりすぎる」という課題が生じている。業界標準で、かつ高速なデータ転送を実現するLTOテープ装置を例に取ってこの問題を考えてみよう。
実際にはサーバのプラットフォームに依存するが、仮に実環境で1ドライブあたりのデータ転送速度を毎秒40MBとする。
この時、例えば500GBの本番データベースを1台のLTOテープ装置にバックアップすると、コピーにかかる時間は約4時間となる。これは運用方針にもよるが、24時間365日のサービス時間の実現は困難となる。
バックアップを行っている間、オフラインバックアップ方式では本番業務を停止する必要がある。またオンラインバックアップ方式を使ってサービスを継続したとしても、データベースサーバに余分な負荷が発生し続けることになり、相応のパフォーマンスが必要となる。
このケースではバックアップ運用に仮想化ディスク装置の高速コピー機能を使うことで、サービス停止時間やサーバへの負荷を極小化することが可能だ(図3)。

図3:仮想化ディスクの高速コピーによるバックアップ運用 Copyright IBM Corporation 2007 / Copyright IBM Japan, Ltd. 2007
例えばIBMがSAPシステム向けに提供している製品「TSM for ACS」では、バックアップモードで運用した場合にバックアップ中でもデータベースを停止する必要はない。さらにディスク高速コピーにかかる時間は同条件でも数秒〜数分程度と高速なため、すぐに通常のデータベース運用(ノーマルモード)に戻ることができるというメリットがある。
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著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社 佐藤 千晴
ACP-シニアITスペシャリスト
Storage Networking Industory Association - Certified Professional 2006
1988年、日本アイ・ビー・エムに入社。グローバルISV・コンピテンシー・第一所属。SAPをはじめとした各種ISVパッケージのテクニカルサポート業務に従事。
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