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いまさら聞けないサーバ管理入門
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第1回:サーバ運用の秘訣

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2007/10/1
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ディレクトリパスやファイルに関するコマンド

   以下では、Red Hat Enterprise Linux 5とSUSE Linux Enterprise Server 10において、デリバリー担当者や保守サポート担当者がシステム管理を行ううえで最低限理解しておかなければならないと思われるディレクトリパスやファイルに関してあげてみます。
ブートログ
/var/log/dmesgファイル(RHEL5)
/var/log/boot.msgファイル(SLES10)
ディストリビューション名の取得
/etc/redhat-releaseファイル(RHEL5)
/etc/SuSE-releaseファイル(SLES10)
時刻
/etc/sysconfig/clockファイルの記述方法
ファイルシステムのマウント
/etc/fstabファイルのファイルシステムオプション
GRUB設定ファイル
/boot/grub/grub.confファイル(RHEL5)
/boot/grub/menu.lstファイル(SLES10)
カーネルモジュール設定ファイル
/etc/modprobe.confファイルの記述方法
ネットワーク設定
/etc/sysconfig/network-scriptsディレクトリ(RHEL5)
/etc/sysconfig/networkディレクトリ(SLES10)
ホスト名設定
/etc/sysconfig/networkファイル(RHEL5)
/etc/HOSTNAMEファイル(SLES10)
静的ルーティング情報
/etc/sysconfig/static-routesファイル(RHEL5)
/etc/sysconfig/network/routesファイル(SLES10)

表3:最低限理解しておかなければならないディレクトリパスやファイル

   上記にあげた設定ファイルやディレクトリの違いのように、ディストリビューションごとの特色がありますので、コマンドや設定ファイルを含んだ管理用スクリプトをディストリビューション間で流用する際には動作確認を十分に行う必要があります。


共通している重要なコマンド

   一方、異なるディストリビューションにある程度共通している重要なコマンドがありますので、最低限理解しておかなければならないと思われる基本的なものをあげておきます。

CPU、メモリ、ディスク使用状況
cat /proc/cpuinfo
cat /proc/meminfo
free
top
df -HT
sar
iostat
BIOSバージョン、機種情報の取得
dmidecode
OSバージョン情報の取得
cat /proc/version
スワップ情報の取得
cat /proc/swaps
ブート時のカーネルパラメータ情報の取得
cat /proc/cmdline
システムのロードアベレージの取得
cat /proc/loadavg
ネットワークインターフェースの情報
ifconfig
ルーティング情報
netstat
ネットワークインターフェースとドライバの対応情報の取得
ethtool -i bondX
ethtool -i ethX
現在ログインしているユーザ情報、OS稼動時間の取得
w
uptime

表3:基本的なコマンド

dfコマンド、freeコマンド、/procエントリを駆使しOS情報を取得する
図7:dfコマンド、freeコマンド、/procエントリを駆使しOS情報を取得する
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   上記にあげたものはRed Hat系ディストリビューションとSUSE系ディストリビューションで共通に利用可能なコマンドです。これ以外にも様々な管理コマンドが存在しますが、まずは代表的な上記のコマンドを使いこなせるようにしてください。

   特にプロセスやメモリの状況をリアルタイムに確認する「top」はシステムのサービスの挙動やCPU、メモリ利用状況の管理コマンドとして幅広く利用されています。またディスクの性能解析に利用される「iostat」などはストレージ負荷のかかるサーバやLinuxを利用したストレージアプライアンスサーバなどでも頻繁に利用されるため、非常に重要なコマンドです。

   これらのコマンドは付加できるオプションも非常に多いのですが、すべてを覚えておく必要はありません。Linuxサーバの管理を行うのであれば、代表的なオプション程度を付加することで基本的なパフォーマンス解析ができるようになっておくべきです。

   次回は特に重要なtopコマンドとiostatコマンドを使ったLinuxサーバの管理を説明します。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第1回:サーバ運用の秘訣
  なぜサーバ管理は必要か?
  サーバのハードウェア管理手法
  遠隔地からのコンソール、電源、メディア管理手法
ディレクトリパスやファイルに関するコマンド