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いまさら聞けないサーバ管理入門
いまさら聞けないサーバ管理入門

第1回:サーバ運用の秘訣

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2007/10/1
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なぜサーバ管理は必要か?

   ITシステムにおける「システム管理」「監視」とは一体どのようなものなのでしょうか。そしてシステム管理、監視とよばれる業務はなぜ必要なのでしょうか。ITシステムにおける「システム管理」は、対象となるシステムのコンポーネントやリソースの情報を管理者が入手し、必要となるプログラムの実行や、目視によるチェック、インストールなどのメンテナンスを行う業務があげられます。

   また監視は、対象となるシステムに障害や不正アクセスが発生した場合に、管理者に自動的に通知する仕組みそのものやその業務全体を意味します。ITシステムがユーザに絶え間なくサービスを提供し続けるためには、管理者が対象のハードウェアやソフトウェアの動作に異常がないかを日々チェックしなければなりませんが、管理者が管理対象のシステムを24時間365日絶え間なく管理するのは大変なことです。

   管理対象のサーバの台数や種類が増えると管理の手間は煩雑になりがちです。したがって、複雑なシステムをいかに効率良く管理するかを吟味し、自社のシステムにマッチした管理ソリューションを導入してはじめて高い投資対効果が得られます。つまり自社のシステムに必要な管理手法が一体どのようなもので、それに対応した管理ソリューションはどれなのかを知る必要があります

   よって一般的に知られている有名な管理ソリューションを漠然と導入するのではなく、まず対象システムにおける「管理、監視の目的」を明確にする必要があります。

   管理、監視する目的はシステムによって様々ですが、例えば以下のような例があげられるでしょう。ここでは、ITシステムでよく見かける管理、監視の一例をあげてみました。
  • CPU、メモリ、ディスクI/O、NICの利用状況を表示する(ハードウェア管理)
  • ハードウェア障害を管理者にメールで通知し、ダウンタイムを12時間以内に短縮する(ハードウェア監視)
  • ソフトウェアのサービス障害が発生したサーバ筐体のLEDを点灯させる(サービス監視)
  • ファイルサービスが停止しても待機系サーバがサービスを引き継ぎ、ファイルサービスを継続させる(高可用性システムの導入、サービス監視)
  • CPUとディスクの利用率が閾値を超えた場合、自動的に管理者にメールが送信され、ユーザの利用効率を把握する(リソース監視)
  • アプリケーションが利用するネットワーク帯域を制限する(トラフィック監視)
  • 特定のプロトコルを使ったアクセスを禁止し、アクセス元を記録する(セキュリティ管理)
  • 自社の財務状況を過去5年間にわたり折れ線グラフで閲覧できるようにする(経営管理)

表1:ITシステムでよく見かける管理、監視の例

   システム管理を行ううえで、上記のような「目的」を定義することが重要です。ハードウェア故障への対応そのものが目的なのか、サービスの継続なのか、会社の経営状況を閲覧したいのか、それは管理者、利用者によって様々ですが、その目的に応じた管理ソリューションを導入しなければなりません。漠然とした要求もあるでしょう。

   例えば「GUIで管理したい」など漠然とした要求や仕様もすべて箇条書きにしてまとめておきます。またそれらの要求を満たすことでどのような効果があらわれるのかを明確にしておきます。

   ハードウェア障害を通知することで、ダウンタイムを12時間に短縮するという例を考えてみます。1時間のダウンタイムによって10万円の損失がある場合、いままで復旧に24時間かかっていたものが12時間に短縮されることで、120万円の損失を防ぐことができるのです。

   このように、具体的な目標値を示すことで、自社のシステム管理に必要なものが何であるか、その効果がどれほどなのかが理解しやすくなります。

システム管理、監視の目的と予想される効果を明確にする
図1:システム管理、監視の目的と予想される効果を明確にする
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   一般的にシステム管理者の立場としては、ITシステムの複雑さや人間の手間をいかに減らすかを常に考えていますし、CIOなどの経営層はいかにして自社のITインフラを効率良く稼動させ、無駄を省いて利益を上げるかを考えています。

   目的と効果の関係がはっきりすることで無駄なIT投資を回避することが可能となります。サーバのハードウェア管理や障害監視、アプリケーション管理、経営戦略支援システムなど、様々な分野に応じた管理ソリューションが存在しますが、すべてを導入すればよいというわけではありません。対象となるシステムにあった必要最低限の管理手法で最大限の効果をあげることがITシステムの管理を行ううえで重要です。

   システム管理というと多種多様な管理ソフトウェアをインストールし、大量の管理ウィンドウと膨大なメニューを操ることを想像しがちですが、大量の管理ソフトウェアが乱立するとそれだけ管理対象となるシステムと管理者の負担は増えます。

   まずは何が目的でその目的に合うソリューションな何かを検討し、必要なものだけを導入するという考え方が求められます。

   以下ではより具体的に、サーバの運用管理という観点で必要なものが何か、運用管理の基本的な手法とはどのようなものかを述べていきます。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


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INDEX
第1回:サーバ運用の秘訣
なぜサーバ管理は必要か?
  サーバのハードウェア管理手法
  遠隔地からのコンソール、電源、メディア管理手法
  ディレクトリパスやファイルに関するコマンド
いまさら聞けないサーバ管理入門
第1回 サーバ運用の秘訣
第2回 コマンドを駆使した運用管理術
第3回 オープンソースのGUI管理ツール駆使して楽々管理
第4回 OpenIPMIでサーバ管理
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