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Hinemosではじめる運用管理〜運用設計の導入〜 |
第1回:Hinemosの運用設計への導入
著者:NTTデータ 澤井 健 2007/10/2
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Hinemosの導入・設計上のポイント
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まず最初のポイントとして「Hinemosではリポジトリの設計が重要」である点があげられます。
HinemosのリポジトリはHinemosクライアントの画面表示や各機能の設計のベースとなるものです。リポジトリについては以下の記事を参照してください。
リポジトリの設計を工夫することにより以下の効果が期待できます。
- 監視の設定項目数を格段に減らすことができる
- 障害時の視覚確認の容易性を上げることができる
表3:リポジトリ設計の工夫で得られる効果
監視の設定項目数が減ることで設定作業やメンテナンス工数が減少し、さらにHinemosの性能を確保することができます。また、運用者に合わせて監視画面などをみやすく設定することが可能になります。
次のポイントとして「Hinemosは柔軟な対応が可能」な点があげられます。
本記事の冒頭でも述べた通り、Hinemosはシンプルなアーキテクチャで実現されているため、柔軟に要件に対応できるという特徴があります。よって、工夫次第で実現範囲は大きく広がります。筆者はこの点こそが技術者の腕の見せ所と考えています。
これをまとめると以下のようになります。
Hinemosの実現範囲=Hinemosの機能でそのまま実現できること+Hinemosの機能を利用して実現できること
例えばHinemosのSNMP監視機能を考えた場合、Net-SNMPの機能により任意のコマンドやシェルスクリプトを実行し、その結果を「SNMP監視機能の結果」としてHinemosマネージャが受け取ることができます。
これを考えただけでも、監視できる範囲が格段に広がることが理解できるでしょう。
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管理範囲の決定
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ここでは、HinemosマネージャとHinemosクライアントの配置場所の検討方法について説明します。
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Hinemosマネージャの配置場所
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閉じたネットワーク環境内で数台〜数十台の中規模システムの運用管理を考える場合は、基本的に1台のHinemosマネージャと1台のHinemosクライアントを同ネットワーク内またはネットワーク接続が可能な環境に配置を検討することで十分だと考えます。
そこで、ここでは表4にあげた2つの環境について、運用管理をHinemosで行う際の検討すべき事項に注目します。
- 同一拠点内の数百台〜数千台の大規模システムの運用管理
- 複数拠点からなるシステムの運用管理
表4:管理範囲の決定の対象システム
まず、Hinemosマネージャの配置を検討する上で押さえておくべきHinemosの特徴・仕様を表5にあげます。なおここでは、原稿執筆時点(2007年9月)での最新版である「Hinemos V2.2」を対象としています。
- n台のクライアント ⇔ 1台のマネージャ ⇔ n台エージェントの構成である
- 設定と各種履歴情報はHinemosマネージャの内部データベースで管理する
- クライアント⇔マネージャ ⇔ エージェント間は非暗号化通信である
表5:Hinemosマネージャの配置で押さえるべきHinemosの特徴・仕様
Hinemosは設定や履歴情報をHinemosマネージャの内部データベースに蓄積します。そして、Hinemosクライアントはその情報を参照・更新などを行うというシンプルな構成をとります。よって、運用管理者はHinemosクライアントから目的の管理対象を管理するHinemosマネージャへ接続し、画面表示や操作を行います。
図1:Hinemosの構成 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
また、Hinemosではジョブ管理機能など一部機能を使用するためにHinemosエージェントの導入を行います。このマネージャとエージェント間やクライアントとマネージャ間のネットワークに公衆ネットワークが介在するような場合は、セキュリティ上VPN環境を構築するなどの対処を施します。
図2:ネットワーク構成例 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
以上を踏まえて、表4の各々の環境におけるHinemosマネージャの配置指針を示します。
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著者プロフィール
株式会社NTTデータ 澤井 健
基盤システム事業本部 オープンソース開発センタ
2003年、株式会社NTTデータに入社。日頃はオリジナルなオープンソースソフトウェアの開発や、オープンソースソフトウェアを用いたシステム構築への技術支援に従事。
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