【新・言語進化論】アレで使われている言語って何?
第1回:iPod touchはハンドヘルドMac!?
著者:masuidrive
公開日:2007/11/2(金)
iPod touchの開発はObjective-C+Cocoaで
iPod touchのディレクトリ構成はMac OS Xとほぼ同じ構造をしており、さらにCocoaというフレームワークの上で動いている事がわかりました。では実際のアプリケーション開発の部分はどうでしょうか。
WindowsやLinuxなどがネイティブアプリケーションをCやC++で記述しているのに対して、Mac OS Xでは「Objective-C」が利用されています。これはC言語をベースにオブジェクト指向を加えたもので、今ではMac OS Xの開発ぐらいでしか使われていないマイナーな言語です。
原稿執筆時には、もちろんiPod touchの開発環境については公開されていません。しかし有志による解析の結果は「Objective-C+Cocoa」を使うことで、Mac OS Xとかなり近い形で開発できることがわかっています。
Mac OS Xと大きく違う点は、搭載メモリの容量による「メモリ使用量の制限」と、「ユーザインターフェース」の2つに集約されます。つまり「それ以外の部分」についてはあまり変更する必要がなく、開発や移植を行えるといえるでしょう。
iPod touchの開発環境まとめ
ネイティブアプリケーションと来年予定のSDK
いま現在アップルは一般開発者向けに、Webブラウザ「safari」を使ったWebアプリケーションを開発することを推奨しています。
しかし、これまでに述べたように、iPhone発売直後から有志の手によって解析が進められ、iPhone/iPod touchをクラックすることで、ユーザが内部にアクセスしたり、さらには自分でアプリケーションが作れるようになっています。
マルチタッチなどのiPod touch特有の機能の解析も順調に進み、いまでは多くの機能を使ったアプリケーションが構築できるようになっています。これらの開発も、もちろん「Objective-C+Cocoa」で行われています。
このような状況を受けてなのか、はたまた予定していたのかはわかりませんが、2007年10月17日に、アップルから公式SDKの公開が正式にアナウンスされました。「2008年2月に公開される」こと以外、詳細はまだ発表されていませんが、電子証明やサンドボックスなど、何らかの不正対策が行われることが示唆されています。
しかし、SDKが公開されることによって、90年代末にPalmがPDAの世界を席巻し、非常に多くの有用なソフトウェアがリリースされたように、iPod touchでも有用なアプリケーションが多数リリースされることが期待されます。
次回は「セカンドライフ」
来週の「アレで使われている言語って何?」では、今インプレスITも力を注いでいる「セカンドライフ」を取り上げ、オブジェクトの作り方の奥義を伝授します。
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