オープンソースの基本を理解する (3/3)

オープンソース白書2006
基礎知識

オープンソースの基本を理解する
著者:可知 豊   2005/9/30
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コミュニティによるゆるやかな連携

ThinkIT会員特典20%OFF   ソースコードがオープンソース化されていると、必要な人はインターネット経由でダウンロードする。不具合があったり、新しい機能を追加したい場合は、自由に改良できる。そして、改良した結果をまた公開(フィードバック)することで、ソフトウェアの品質がどんどん上がっていく。

   このようなオープンソースソフトウェアをより良くしたい開発者が集まることで、情報交換の場が生まれる。集まった開発者たちは共同開発を続ける。「オープンソースコミュニティ」は、このような集まりの総称である。オープンソースコミュニティへの参加者は、個人だけでなく、オープンソースソフトウェアを研究に利用している大学や研究機関、ビジネスに利用している企業から参加している場合もある(図2)。

オープンソースコミュニティによるオープンな開発体制
図2:オープンソースコミュニティによるオープンな開発体制

   ただし、コミュニティという具体的な組織があるわけではない。そのために、ユーザーから見ると、オープンソースソフトウェアを誰がサポートしてくれるのか、その主体が分かりにくいという意見もある。このような不安を解消するため、日本OSS推進フォーラムのサポートインフラWGは「オープンソースソフトウェアが開発コミュニティからユーザーに届くまでの仕組み」(注4)というレポートを公開している。また現在では、オープンソースソフトウェアを利用したビジネスを展開する企業の多くが、有償のサポートビジネスを提供している。

注4:日本OSS推進フォーラム「オープンソースソフトウェアが開発コミュニティからユーザーに届くまでの仕組み」
http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/SupportInfraWG.html


利用者にとっての利点

   では、オープンソースは利用者にとってどのような利点があるのだろうか。

   まずエンドユーザーは、高機能なプログラムを無償で入手できる。インターネットをはじめとするIT技術が当たり前になる中で、低コストで導入できるオープンソースは、デジタルデバイドを改善する効果を持つ。

   企業では、オープンソースにより、導入コストを下げることができる。また、特定のソフトウェアベンダーのバージョンアップや機能追加につきあわされる「ベンダーロックイン」を回避することが可能になる。これは、官公庁や公共機関で、特に問題となる。

   オープンソースソフトウェアそのものを販売したり、サポートサービスを提供したり、システム構築に利用するといったビジネス利用も増えている。これらのIT企業にとっては、低コストでサービスを提供できることを意味する。また、オープンソースがある種のブームになっている状況では、マーケティングの一部として取り組んでいる企業もあるだろう。

   「オープンソース」は、自由に利用できるソースコードを表す言葉として、1998年にエリック・レイモンドらにより使われ始めたものだ。それまで、自由に利用できるソフトウェアという考え方は、企業には受け容れにくいものだったが、「オープンソース」という、いわばマーケティングキャンペーンを展開することによって、多くの企業の注目を集めることに成功した。

   その後のオープンソースの発展は、必ずしも順調ではなかった。最初のオープンソースブームと共にスタートしたベンチャー企業の多くは、ITバブルの崩壊で姿を消した。しかし、オープンソースは消えてしまったわけではない。企業が消えても、ソースコードはオープンなままだ。現在も地道な活動により、着実に仲間を増やしている。

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書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
「Linuxとオープンソースのビジネスの今」をすべて収録した「Linuxオープンソース白書2006」のご購入はコチラから
INDEX
オープンソースの基本を理解する
 はじめに
 利用と使用を区別する
コミュニティによるゆるやかな連携
Linux/オープンソース白書2006
オープンソースの基礎知識
オープンソースの基礎知識
世界のオープンソース開発プロジェクト
キーマンインタビュー
OSS推進の理由と活動の展望
オープンソースを武器に拡大戦略をとるワイズノット
ERP業界にオープンソースで挑戦するビーブレイクシステムズ
再び拡大期を迎えるLinuxオープンソースビジネス
再び拡大期を迎えるLinuxオープンソースビジネス
オープンソースを中核にした新世代のベンチャー企業
SI事業者におけるオープンソースの位置付けと今後の可能性
組み込み分野の動向を変化させるオープンソース
Linux技術者の認定資格「LPI」国内の現状報告
Linux技術者の認定資格「LPI」国内の現状報告
実態調査で見るユーザー企業の利用動向
第1回Linuxとオープンソースソフトウェアの認知度
第2回サーバーOSの導入状況
第3回ディストリビューション
第4回技術者教育
第5回オープンソースソフトウェアの導入意向
成長するLinuxオープンソースビジネス
第1回レッドハット株式会社(Red Hat K.K.)
第2回ノベル株式会社(Novell Japan,Ltd.)
第3回ミラクル・リナックス株式会社(MIRACLE LINUX CORPORATION)
第4回ターボリナックス株式会社(Turbolinux,lnc.)
第5回モンタビスタソフトウエア(Montavista Software,lnc.)
第6回日本アイ・ビー・エム株式会社(IBM Japan,Ltd.)
第7回日本ヒューレット・パッカード株式会社(Hewlett - Packard Japan,Ltd.)
第8回日本電気株式会社(NEC Corpotation)
第9回富士通株式会社(FUJITSU LIMITED)
第10回株式会社日立製作所(Hitachi,Ltd.)
第11回デル株式会社(Dell Japan Inc.)
第12回日本オラクル株式会社(Oracle Corporation Japan)
第13回日本SGI株式会社(SGI Japan,Ltd.)
第14回日本ユニシス/ユニアデックス/日本ユニシス・ソリューション(Nihon Unisys,Ltd.)
第15回リネオソリューションズ株式会社(Lineo Solutions,lnc.)
第16回SAPジャパン株式会社(SAP Japan Co., Ltd)
第17回サン・マイクロシステムズ株式会社(Sun Microsystems, lnc.)
第18回日本BEAシステムズ株式会社(BEA Systems Japan,Ltd.)

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