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なぜ今また人財戦略なのか
なぜ今また人財戦略なのか

第1回:これから必要なスキル
著者:サバ・ソフトウェア  新目 真紀   2006/7/7
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これから求められるスキルとは

   PFドラッカーは「ネクスト・ソサエティ」で、20世紀以前には存在しなかった新種の知識労働者の総称をテクノロジストといっています。その特質は、自らを労働者ではなく専門家とみなすことであり、知識を最新に保つための継続教育を不可欠とする点です。

   ICT業界の方は実感されていると思うのですが、新しい技術が次々にでてきますので、1つ覚えたら終わりではなく、日々新しい知識を習得し続けることが重要になります。この意味で仕事を行うというプロセス自体がラーニングの側面を持ち合わせます。

  工業会社 知識社会
戦略資源 有形固定資産・資本(土地・天然資源) 無形知的資産・知識(形式知・暗黙知)
フローとしての情報
主要な財 ハード(もの) ソフト、サービス(こと)
技術 機械技術 知的技術
人材 同質・均質
半熟練労働者
代替可能
異質・異能
知識労働者
代替不能
経済原則 規模・範囲
営利と非営利の分離
速度・連結
営利と非営利の融合
価値観 効率性追求
How to do
横並び
創造性実現
What to do, Why to do
評価基準 手段的 審美的・倫理的
企業経営 クローズドな階層型組織
収穫逓減型ビジネスモデル
オープンなネットワーク型組織
収穫逓増型ビジネスモデル

表1:社会と人材
出典:寺本義也・中西晶「知識社会構築と人材革新」日科技連

   「ITイノベーションの実証分析」で元橋氏は、ITシステム導入により従業員が受ける影響を「定型的・反復的な仕事量の減少と、非定型的で創造的な仕事量の増加」とし、これにより、よりスキルレベルの高い職種の需要が高まると説明しています。

   また、特定のスキルに対する需要が高まる一方で、リストラを行わないといけないセクションがでてくるが、労働法制や雇用慣行上レイオフを行えない日本企業は、従業者の部内配置転換によって対応せざるをえない」ことを指摘しています。


スキルアップのためには

   このようにスキルレベルの高い人への需要が高まるわけですが、はじめからスキルレベルが高い人がいるかといえば、そんなわけはありません。

   最近お話した市場価値測定研究所の藤田氏は「上にいくためには、とにかく自分のスキルを上げていくしかないのです。そのためにはレベルの上の人に声をかけてもらって、可能なかぎり場数を踏むしかありません。

   レベルが高い人の仕事をみることで、今までの自分が持っていた能力の限界のイメージのようなものを広げていくということもあります。自分がいっぱいいっぱいでやっている仕事が、どの程度のレベルなのかを思い知らされるのもいい経験でしょう」とおっしゃっていました。

   それではこれから企業はどのように人財戦略をたてていったらいいのでしょうか。次項で、日本の人財戦略の問題点を紹介します。

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サバ・ソフトウェア株式会社 新目 真紀
著者プロフィール
サバ・ソフトウェア株式会社  新目 真紀
ラーニングサービスマネージャ
津田塾大学数学科卒業後NEC、IIJでソリューション開発に携わる。その後人事コンサルティングのベンチャー企業でHCM戦略コンサルタントとして勤務した後、現在に至る。早稲田大学国際情報通信研究科修士課程修了。専門は情報技術革新と経済進化。著著「図解でわかるe-ラーニング入門」日本能率協会マネジメントセンター「ブレンディッドラーニングの戦略」東京電気大学出版局 4章、9章の翻訳担当

サバ・ソフトウェア株式会社(英社名:Saba Software K.K.)
http://japan.saba.com/


INDEX
第1回:これから必要なスキル
  これまでの延長線上の戦略では通用しない
これから求められるスキルとは
  日本の人財戦略の問題点