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なぜ今また人財戦略なのか
第1回:これから必要なスキル
著者:
サバ・ソフトウェア 新目 真紀
2006/7/7
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日本の人財戦略の問題点
皆さんは、キャリアカウンセラーをご存知ですか。職業選択やキャリア形成などで悩んでいる人に対して、専門的見地からアドバイスをする人といわれています。前述したように、日本は産業構造の変化や終身雇用制の崩壊、労働人口構成の変化に直面し、雇用のミスマッチが大きな問題になってきています。
これを少しでも解決しようと2001年に日本政府が打ち出したのがキャリアカウンセラーを「5年間で5万人養成する」というものです。
雇用のミスマッチは日本以外の国でも起きていることですが、日本の場合はこのミスマッチが企業の中でも起きていることに特徴があります。日本の企業は労働法制や雇用慣行上レイオフを行えないだけでなく、少子高齢化や人材構成のゆがみから新たな人材もなかなか採用できません。
また企業にとって流出してほしくない人材の多くは、ICT技術の進展に伴い増えてきたテクノロジスト(ナレッジワーカ)と呼ばれる人たちです。
自身のキャリアと企業
そういった人は自身の専門性に対する意識が強いわけですから、不採算部門の廃止や他部門との統廃合などで配置転換をしようとしても、それまでのキャリアとの折り合いがつかなければ自身のスキルを活かせる企業を探すでしょう。
実際、筆者もICT専門のキャリアカウンセラーとして500人以上の方にお会いしてきましたが、ほとんどの方が、これまでのキャリアと今後のキャリアについて自身なりの折り合いがつくことを重要視されていました。
図2:転職先選定時の重視点/Career Laboratory(テクノブレーン)調査報告
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
それでは、誰が皆さんのキャリアについて考えてくれるのでしょうか。もちろん自身で考えるのは当たり前ですが、それだけでは限界があります。OJTをしてくれる職場の先輩でしょうか、上司でしょうか、人事部門でしょうか、もしかしたら転職を支援するエージェントでしょうか。
繰り返しになりますが、日本はICTの普及により、経済のサービス化が進展し、急速に産業構造が変化してきています。このため企業のビジネスドメインは時間の経過とともに変化する可能性が高く、収益拡大もしくは持続的成長を目指すためには、定期的な測定が重要になります。
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著者プロフィール
サバ・ソフトウェア株式会社 新目 真紀
ラーニングサービスマネージャ
津田塾大学数学科卒業後NEC、IIJでソリューション開発に携わる。その後人事コンサルティングのベンチャー企業でHCM戦略コンサルタントとして勤務した後、現在に至る。早稲田大学国際情報通信研究科修士課程修了。専門は情報技術革新と経済進化。著著「図解でわかるe-ラーニング入門」日本能率協会マネジメントセンター「ブレンディッドラーニングの戦略」東京電気大学出版局 4章、9章の翻訳担当
サバ・ソフトウェア株式会社(英社名:Saba Software K.K.)
http://japan.saba.com/
INDEX
第1回:これから必要なスキル
これまでの延長線上の戦略では通用しない
これから求められるスキルとは
日本の人財戦略の問題点