TOP
>
比較データ
> グラフ機能
BIツール選択に失敗しないために
第3回:分析ツールの選択〜パワーユーザに必要な機能をチェック(後編)
著者:
アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
2005/6/21
前のページ
1
2
3
4
次のページ
グラフ機能
グラフ機能は見栄えがよいため、各ベンダーの製品紹介の際には必要以上に強調されがちです。そのため実際の重要性以上に選定を左右してしまうこともあります。もちろん、直感的にデータの傾向を見ることができるグラフ表示機能は大変重要ですが、グラフの種類が多ければよいという単純な話でもありません。
ユーザの普段のデータ分析方法やデータの内容によって、必要とされるグラフの数も種類も異なります。費用対効果を考慮したBIツール選定では、本当に必要なグラフ表示機能の内容を見極めることが重要です。
基本的なグラフの種類としては、棒グラフ/線グラフ/円グラフの3つが基本です。これに積み上げタイプのものがあるかとか、異なる数値単位を同じ軸に持てるかといった項目が一般的なチェックポイントになります。
OpenOLAPの場合は細かい表示方法の違いも含めると、以下の14種類のグラフ形式を持っています。
棒グラフ
縦棒
3D縦棒
横棒
3D横棒
線グラフ
線
複数メジャー線
円グラフ
円
3D円
複数円
積上グラフ
積上エリア
積上縦棒
3D積上縦棒
積上横棒
3D積上横棒
表3:グラフの種類
このうち、いくつかの形式の実際の画面を図7に示します。
図7:OpenOLAPのグラフ表示の例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
これらの基本的なグラフ形式は多くのBIアプリケーションがカバーしていますが、特定の分析では、もう少し特殊なグラフ形式を必要とする場合があります。
その代表的な例がポートフォリオ分析です。ポートファリオ分析とは製品がライフサイクルのどの段階にあるかを判定する分析方法で、横軸にシェアを、縦軸に成長率をとり、売上高に比例した大きさの円をプロットします。製品の販売開始時はデータは左下にあり、販売が軌道に乗ると徐々に右上に上がっていき、かつ円が大きくなります。ピークを過ぎて、円が小さくなり、位置が左下に戻ってきたところで販売を停止するという目安になります。
このようなポートフォリオ分析のためには、バブルチャートと呼ばれるグラフ形式が必要です。バブルチャートの例を図8に示します。
図8:バブルチャートの例
グラフ形式の種類以外にも、グラフ機能にはいくつかのチェックポイントがあります。主なチェックポイントは次の3つです。
グラフ上にプロットされているデータの値が表示できるか
グラフ上でもOLAP分析操作が可能か
グラフと表を同時に表示して表の分析操作と同期できるか
表5:グラフ機能の選定ポイント
グラフ上のデータにマウスを合わせるとデータの値が表示されるタイプのものがあります。目盛りだけでは、細かい値は読み取れませんので、このような機能は大変便利です。同時に、グラフ表示をしたままでOLAP分析操作ができれば、グラフ表示を中心にデータを分析するユーザにとっては大変効率的です。
(1)、(2)の機能が満たされない場合でも、グラフと表を同時に表示できるタイプのものがあります。この場合、表上でのOLAP分析操作に連動してグラフが変化すれば、(1)、(2)の機能と同様な効果が得られます。ユーザによってはグラフだけの表示よりも、むしろグラフと表の同時表示の方を好む場合もあります。
前のページ
1
2
3
4
次のページ
著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
INDEX
第3回:分析ツールの選択〜パワーユーザに必要な機能をチェック(後編)
メンバーの自由選択と不均一階層への対応
積み上げ計算
グラフ機能
Excelとの親和性