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BIツールとしての帳票ツールの評価
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レポーティング・ツールの評価ポイントの最後として、帳票ツールに触れます。
レポーティング・ツールにおいてプリンタへの印刷機能はあくまでも2次的な機能であって、ファイル出力機能のところで説明したようにPDF形式で出力されたファイルをユーザが自分で印刷するというのが前提となっています。
しかしシステム全体のニーズから考えると、バッチ的に処理される多くの業務帳票の中には、レポーティング・ツールがブラウザ上に表示するレポートとほとんど同じ内容で出力できる帳票もニーズとして含まれる場合があります。
このような場合には、帳票ツールにおいても、部分的にBIツールつまりプリンタ出力を前提としたレポーティング・ツールとしての評価が必要になります。帳票ツールにレポーティング・ツールの評価基準をあてはめてみると、以下のようになります。
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レイアウト機能
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ほぼレポーティング・ツールの場合と同様な評価基準になります。つまり、一枚の印刷レポートに複数の表やグラフを配置し、自由にレイアウトすることができることがポイントとなります。また、クロス集計表がレポート部品として含まれているかどうかも、BIツールとしての評価の場合は重要なポイントになります。
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レポート上での分析機能
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当然のことながら、プリンタ出力においてはユーザの会話型の操作は不可能ですので、この機能は評価の対象とはなりません。
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フォルダ機能とセキュリティ機能
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帳票ツールで作成されたレポートをユーザが自分で選択して印刷するようなシステムの場合は、レポーティング・ツールと同様な評価基準になります。つまり、ユーザが印刷したいレポートを簡単に見つけられるようにするためのフォルダ機能と、ユーザやユーザ・グループがどのレポートを印刷可能にするかを設定するセキュリティ機能がポイントとなります。
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バッチ・レポーティング機能
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帳票ツールは一般的にレポート作成をバッチ処理で実行しますので、この機能は評価の対象とはなりません。
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ファイル出力機能
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帳票ツールの最終目的はプリンタでの印刷ですので、出力ファイル形式ではなく、出力可能なプリンタの種類がポイントということになります。この場合、具体的なプリンタ製品の種類以前に、グラフ出力が必要か、カラー印刷が必要かといったBIアプリケーションから見た評価基準を設定してから、実際のプリンタの種類を評価することになります。
以上のように、レポーティング・ツールとBIツールとしての帳票ツールの評価基準は、かなり似通っているといえます。
ThinkITでは、ビーブレイクシステムズの横井氏が執筆されたオープンソースの帳票ツールの記事を掲載していますので、試しにここで解説した評価基準を念頭において、その記事を一読されてはいかがでしょうか。
今回は、レポーティング・ツール選択のポイントの後半を解説しました。次回は、モニタリング・ツールの選択のポイントについて解説します。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
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