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BIツール選択に失敗しないために
BIツール選択に失敗しないために

第5回:レポーティング・ツールの選択〜大量ユーザのサポートに必要な機能をチェック(後半)
著者:アイエイエフコンサルティング  平井 明夫   2005/7/19
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条件付レポートとドリルスルー機能

   必ず評価すべき機能とはいえませんが、特定のニーズが存在する場合に重要となる機能として、条件付レポート機能とドリルスルー機能があります。

   条件付レポート機能とは、前回で解説したOpenOLAPのレポート部品のうち単純表や繰り返し表に対して、検索条件をユーザが自分自身で指定できるようにする機能です。

   レポーティング・ツールの場合、分析ツールとは違いOLAP分析操作(クロス集計表)の重要度が低い反面、明細データ表示や単純なグループ集計に対するニーズが強い傾向にあります。このようなニーズの延長線上に、ある程度非定型に検索を実行したいというニーズがあり、それをレポーティング・ツールで実現すべき場合には条件付レポート機能が重要になります。

   OpenOLAPの場合、前回で解説したレポート部品以外に条件設定レポートという部品が使用可能になっています(図6)。

OpenOLAPのレポート部品〜条件設定レポート
図6:OpenOLAPのレポート部品〜条件設定レポート

   図6のように、検索したいデータの範囲を指定することにより、非定型な検索のニーズに対応できます。操作方法はOLAP分析操作のスライシングと非常に似ていますが、初期画面ではデータが表示されていないことと、表の形式がクロス集計表ではないという違いがあります。

   もう一方のドリルスルー機能とは、OLAP分析を行った結果のクロス集計表上の特定のデータ・セルを指定することで、そのデータ・セルに含まれる集計値の元となった明細データを検索し結果をレポートとして表示する機能です。従って、ドリルスルー機能はレポーティング・ツール単独の機能ではなく、分析ツールとレポーティング・ツールが連動することで実現される機能といえます。

   OpenOLAPではこのドリルスルー機能を分析ツールとしてのOLAP分析画面から、レポーティング・ツールの条件付レポートを呼び出すことで実現しています(図7)。

OpenOLAPのドリルスルー機能
図7:OpenOLAPのドリルスルー機能

   図7では、2003年度のノートPCの売上金額を含むデータセルを指定して、ドリルスルー機能を使うことにより、2003年度のノートPCの販売データの明細表を表示させています。

   ドリルスルー機能は特定のBIアプリケーションにおいて重要視される機能です。このようなBIアプリケーションの典型的な例として、顧客の購買動向をクロス集計表とグラフで分析し、結果として絞り込まれた少数の顧客のそれぞれの住所やメールアドレスを検索するというアプリケーションがあげられます。

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アイエイエフコンサルティング
著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング  平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。


INDEX
第5回:レポーティング・ツールの選択〜大量ユーザのサポートに必要な機能をチェック(後半)
  バッチ・レポーティング機能
  ファイル出力機能
条件付レポートとドリルスルー機能
  BIツールとしての帳票ツールの評価