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徹底比較!!DIxAOPコンテナ
DIxAOPコンテナ「Seasar2とSpring」

第2回:Seasar2とSpringのインストール
著者:豆蔵  長谷川 裕一、竹端 進   2005/11/2
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Seasar2のダウンロード

   Seasar2の導入は、以下のURLから必要なプロダクトをダウンロードし、適当なディレクトリに解凍、Eclipseのプロジェクトに適用することにより行います。
SourceForge.jp: Project File List
http://sourceforge.jp/projects/seasar/files/

   本連載ではサンプルコード内に、Seasar2と必要とするS2プロダクト一式(S2Struts/S2Dao)を含めていますので参考にしてください。


Springの概要

   Spring(正式にはSpring Framework)はロッド・ジョンソン氏を中心に開発されたJava/J2EEのフレームワークです。最新版は1.2.5になります(2005/10/19現在)。

   SpringはDIxAOPコンテナをベースに、MVCフレームワーク、JDBCを抽象化したフレームワークを内包しています。StrutsやHibernateといったフレームワークがプレゼンテーションやデータアクセスといった特定の範囲をカバーするフレームワークなのに対し、Springは開発者が必要とするフレームワークをすべてSpringとして提供します(図9)。

   さらにSpringはStrutsやHibernateなどの既存フレームワークとのインテグレーション機能も開発者に提供してくれます。

Springの利用例
図8:Springの利用例
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


SpringのDI・AOP以外の機能

   本連載を通してDIとAOPについては詳細に解説しますので、ここではSpirngがもつDIとAOP以外の機能を紹介します。


Spring MVCフレームワーク

   Springは、Webアプリケーションのプレゼンテーションを担当するフレームワークとしてStrutsやWebWorkに相当するSpring MVCフレームワークを提供します。

   Spring MVCフレームワークはユーザインターフェースとして、JSPだけでなくVelocity(注1)やXSLT(注2)などを利用することが可能です。

※注1: Webアプリケーションでユーザインターフェースを作成するための汎用テンプレートエンジン。JSPと比較されることが多い。
※注2: XMLをHTMLに変換するためのスタイルシート。

   またSpring MVCフレームワークでは、StrutsのActionクラスに相当するクラスがサーブレットコンテナに依存しないPOJOであることが特徴です。


Webインテグレーション機能

   Springを利用してWebアプリケーションを作る場合、必ずしもSpring MVCフレームワークを使う必要はありません。Springは既存のフレームワークとの親和性が高いのが特徴です。Springの提供するWebインテグレーション機能を利用すればVelocityやStrutsを簡単に利用することが可能になります。

   なお、本連載のサンプルアプリケーション「従業員管理Webアプリケーション」ではSpringのWebインテグレーション機能を利用してStrutsをプレゼンテーションに使用しています。


SpringのJDBC抽象化フレームワーク

   JDBCを直接扱って開発を行うと様々な定型処理(例えばConnectionのcloseやその例外処理)によって永続化ロジックを煩雑にしてしまいます。Springは開発者をJDBCの定型処理から解放するためのJDBC抽象化フレームワークを提供しています。

   最近ではXMLを利用してSQLを記述しないフレームワークが流行していますが、SQL文を扱いなれた開発者が多いプロジェクトなどではSQL文を記述するSpringのJDBC抽象化フレームワークの利用が向いています。

   なお、本連載のサンプルアプリケーション「従業員管理Webアプリケーション」ではSpringのJDBC抽象化フレームワークを使用してRDBにアクセスしています。


Spring ORMインテグレーション機能

   プレゼンテーションと同様にRDBへのアクセスもSpring JDBC抽象化フレームワークを必ず利用する必要はありません。Springが提供するORMインテグレーション機能を利用すれば今評判のHibernateやiBATISが簡単に利用できるようになります。

   SpringのORMインテグレーション機能の特徴は、HibernateやiBATISをそのまま利用するよりもORMインテグレーション機能を利用した方が開発者が記述するコード量が減り、実装が簡単になることです。

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株式会社豆蔵 長谷川 裕一
著者プロフィール
株式会社豆蔵  長谷川 裕一
XMLの技術開発やCORBA、EJBを使用したシステム開発などを経て、現在はアジャイル開発プロセスの導入から工学的なソフトウエアプロセスの策定、オープンソースプロダクトに関するコンサルタント、アーキテクトとして常に第一線で活躍。共著として「プログラムの育てかた 現場で使えるリファクタリング(ソフトバンク)」、「Spring入門(技術評論社)」。


株式会社豆蔵 竹端 進
著者プロフィール
株式会社豆蔵  竹端 進
鉄鋼系SIerを経て現職に。現在はオープンソースプロダクトに関するコンサティング、開発支援、教育を行うチームに所属。日々、新たな技術をどのように生かしていくかを考える毎日。現在の注目対象はSeasar2とMaven。


INDEX
第2回:Seasar2とSpringのインストール
  はじめに
  Seasar2のインストール
Seasar2のダウンロード
  Springのインストール