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統合化が進むBIツール
第1回:なぜ今、BI統合化なのか
著者:
アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
2006/03/06
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企業内BIツール標準化への流れ
それでは、BIツール導入の現状から発生するTCOおよびITガバナンスの観点からの問題点を、企業はどのような方向性で解決をはかろうとしているのでしょうか。
その方向性として特に大企業が向かっているのが、部門別導入をやめて企業全体で計画されたBIシステムの導入への転換です。
つまり、部門やユーザ層ごとのニーズを優先した現場主導での導入をやめ、BIシステムのインフラを企業全体で使用できるアーキテクチャに基づいて整備するとともに、BIアプリケーションの構築を企業全体での基本計画に基づいて推進するという方向に転換するというものです。
このような概念は、前出のTDWIのレポートでは「Enterprise BI」として定義されており、17%の企業が転換を終えており、66%の企業が転換中であるという回答が報告されています。
この方向転換は、当然BIツール導入に対する企業の方針転換も意味します。つまり今後は、多種多様な導入済のBIツールを製品数、ベンダー数の双方に関して絞り込んでいくことが考慮されています。このような動きは「企業内BI標準化(BI Standardization)」と呼ばれています。
統合化へと進むBIツール
このような企業内BI標準化の流れに対応するために、BIベンダーは、今いっせいに統合化、つまり過去の製品体系とアーキテクチャを見直して再編成することに注力しているように見うけられます。実際に昨年から今年にかけて、主要なBIベンダーはいっせいにこの統合化を謳った大規模なバージョンアップを実施しています。
その内容を見てみると、あきらかにTCOの低減とITガバナンスの確保に必要な様々な統合化が行われており、主な項目としては次のことがあげられます。
ユーザ層別に提供していた個別製品の統合
ユーザインターフェースの統一
ユーザ管理・アクセス制御の一元化
メタデータ(データ構造の情報)の統合
レポート開発環境の統合
共通インフラ上での統合的なシステム運用環境の提供
変更履歴の一元管理と監査ツールの追加
表4:統合化の目的
しかし、その内容や方向性は各ベンダーのポジショニングや戦略に応じて微妙な違いがあるはずです。
そこで本連載では、次回以降はベンダー各社の執筆により、統合化によるメリットを以下の3つのテーマにそって、各社の考え方と製品の特長を解説していきます。
設計・開発面でのメリット
システム管理・運用面でのメリット
ユーザインターフェース面でのメリット
表5:連載の項目
それぞれのベンダーの特徴とベンダー間での相違を、筆者も読者と一緒に興味をもって見ていきたいと考えています。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウエア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。特に、データウエアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現職についてから、BIスペシャリストの人口が増えない現状に発奮し、BI技術の啓蒙のため、雑誌・Web媒体の記事執筆に積極的に取り組んでいる
INDEX
第1回:なぜ今、BI統合化なのか
BIツール統合化の背景
BIツールの発展(全てのユーザのためのBI)
BIツールの拡張がもたらした問題点
企業内BIツール標準化への流れ