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| 「保存するデータ」から「復旧のためのデータ」へ、アグレッシブな変化が | ||||||||||||||||||||
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ここまでのデータベースソフトウェアの進化の方向を見てもわかるように、今やバックアップを効率化するということは、単に管理エンジニアの労力を軽減するといった限定的なものではない。現代のバックアップは、ミッションクリティカルシステムの可用性確保と抜きがたく結びついた重要課題になってきているのである。 マイクロソフトの斎藤泰行氏に、SQL Server 2005の製品思想を少し伺ってみよう。 「現在の商用データベースの世界で『バックアップ』や『リカバリ』をどのように位置づけるのかというと、もちろん日々の運用・管理をラクにするという目的も重要ですが、それ以上に『万が一、システムがダウンした場合に、いかに早くリカバリできるか〜システムを元通りに動かすことができるか』が大きなテーマとなってくるのです。まさに、サービスアグリーメントでいうところの『可用性』ですね」 もはや「データをどうやって取っておくか」といった手法を議論する段階は過ぎ、「落とさないため、落ちても止めないためにはどうしたらいいか」という、さらに大局的な視点を必要としているというわけだ。 「可用性の要求レベルがファイブナイン(99.999%)とかフォアナイン(99.99%)となってくると、許されるダウンタイムは、年間でわずか30秒とか3分といった厳しさの世界になってきます。その結果、われわれ商用データベースのベンダーも、『万が一システムが落ちたときに、いかに早くアベイラブルにできるか?』という次元でつねにバックアップというものを考えているのです。だからこそ、私たちはバックアップを単独で捉えるのではなく、ファストリカバリも含めたトータルな機能として提供しているわけですね」 OSSデータベースにおけるバックアップと単純に比較しようとしても、そもそも立脚している地点が異なっているので、同じに考えることはできないという。 「私たちの製品はユーザ企業の資産であるデータを扱う以上、それが失われる可能性があってはなりません。しかしOSSデータベースの場合は、コストやライセンスといった点で、学生がデータベースのしくみを学習する場合のように、データの価値と可用性がイコールでないシチュエーションも多いはずです。そうした違いを考えると、OSSデータベースに、商用製品と同じバックアップ機能を求める必然性も少ないのではないでしょうか」 |
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| まだまだ発展途上にあるOSSデータベースのバックアップ機能 | ||||||||||||||||||||
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ではOSSデータベースにおけるバックアップは、現在どうなっているのか、OSS陣営の側から株式会社SRAの石井達夫氏に実際のところを伺ってみた。 「PostgreSQL 8.0で、PostgreSQLの運用ツールであるpgAdminのWindows版がリリースされて一挙に注目度が上がったという出来事がありました。pgAdmin自体はver 7.3の頃からありましたが、やはりWindowsという数として話題を呼んだのでしょう」 とはいうものの、管理ツールの性能としてはまだまだ初歩的なものに過ぎなかったという。 「実際のところ、SQL文を手で打たなくていいとか、テーブルを作る際にいちいち『create table』と入力しなくていいとか、どちらかというと初心者向けのツールでした」 むしろ問題は、個別のツール以前にあると石井氏。 「今の時点で現実に問題となるのは、バックアップの管理作業そのものの方です。というのも、率直にいってOSSデータベースでは、バックアップというのはまだまだ発展途上にある技術だからです。理由は大きく2つあります。まず1つは、PostgreSQLのデータベースとしての基本的機能自体が完成していないという点です。アーカイブログなども、ようやくPostgreSQL 8.0で実装されましたが、差分バックアップはまだできないなど、細かい部分ではクリアすべき機能が数多く残っています」 そしてもう1つの問題は、仮に基本機能自体は備わっていたとしても、まだそのつどコマンドを叩かなくては操作できないというレベルにとどまっている点だ。これだと実際に管理者が使う場面ではいちいち大変で、「もっと楽なツールはないのか!」ということになるという。 |
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