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| SOAでのBPIシステム実現における難しさ | ||||||||||||
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このように様々な利点のあるBPIであるが、では実際にBPIを実現しようとすると困難な点もある。 まず1つ目は、組織横断的な対応が必要であること。これまでも解説してきたように、ビジネスプロセスは、複数の業務、複数部門にまたがることが多いので、組織を横断的に見て横串でプロセス化を行う必要がある(図5)。 |
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![]() 図6:横串のプロセス 2つ目に設計の難しさにある。BPIは、現在の要件を満たすだけでなく汎用性が必要であり、また将来的な拡張を含めたインターフェイスを設計する必要がある。さらに、ビジネスの可視化につなげられるようにビジネスレベルでのサービスとなるようにする必要がある。これらについては、具体的な対策を本連載の後の回で解説する予定である。 3つ目は、ビジネスプロセスの継続的な改善へとつなげていく際の難しさがある。つまり、継続的な改善のための体制作りが必要であり、またビジネスプロセスのパフォーマンスをどう検査して、それをどう改善策に反映させていくか、などの課題がある。これらについては、ビジネス・プロセス・マネージメント(BPM:Business Process Management)に基づいて改善を行う。 そして、最後に4つ目の一番大きなハードルだが、初期投資がかかることである。BPIには、ビジネスプロセスエンジンの導入だけでなく、ビジネスプロセス化の対象となる業務処理の洗いだしや、対象業務の現在のモデルの洗いだしなどで時間がかかりコストがかさむ傾向がある。しかも、これらのビジネスプロセス化は、長い目でみれば上記にあげたように様々なメリットはあるのだが、すぐにはROI(Return On Investment)に反映されないなど、実現に踏みだすには難しさがある。 これらの難しさを乗り越えるためには、柔軟な業務システムを単に作るのではない、戦略を支えるシステム基盤をつくるのだという意識をシステム構築に関わる人のすべてが持ち続けることが最も大切である。 システム構築がはじまったばかりの時は皆が認識していても、時間が経つうちに、単なる業務システムを作るようになってしまいがちである。それは、戦略を支えるシステム基盤をつくるよりも業務システムを作る方がはるかに楽だからである。この業務システムが稼動するときには何の問題も発生しないだろう。しかし、ビジネス環境が変化して、それに対応したシステムを作ろうとしたとき、何のために戦略を支えるシステム基盤を作ろうとしていたかに気がつくだろう。 このようなことが起こらないよう、BPIシステムを構築する責任者は、皆が何のためにシステム構築をしているか忘れないように、旗を振り続けることが一番大切なのである。 |
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