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スケジュールとコストに関する指標が一目瞭然にわかるEVM
第4回:ベースライン作成の鍵となるWBSの解説と事例紹介
著者:
プライド 三好 克典
2006/4/17
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事例紹介
ここからはすでに完了したプロジェクトの事例を3つとりあげ、指標値の読み取り方について解説していく。
典型的なコストオーバーの事例
まずは最初の事例を見て欲しい。これは1年間実施されたあるプロジェクトの実績を月単位で示したものである。
図3:出来高とコスト実績(事例1)
図4:SPIとCPI(事例1)
図3の1ヶ月目を見てみると、PV(予定:紺)とAC(コスト実績:黄色)が同程度であり、初期の段階では予定通りの工数を投入していたが、EV(出来高:ピンク)が追いついていなかったことがわかる。2ヶ月目でPVに比べACが大きくなったことから、残業か人的リソースの追加投入によって遅延を挽回しようとしていたと考えられる。
図3の12ヶ月目ではEVがPVに追いついているが、ACはPVを超えている。このことから納期はなんとか間に合わせたが、コストは10%近く超えてしまったことがわかる。図4の1ヶ月目を見るとSPI(スケジュール効率:紺)もCPI(コスト効率:ピンク)も悪かったのだが、2ヶ月目以降はともに改善傾向にあったことがわかる。
このような結果になるケースは多いと思うが、以下のような事由が考えられる。
前半部分のベースラインを作成する際の見積りが甘かった
プロジェクトの立ち上げ時に重大な課題が発生した
表1:図3・4から考えられる事由
少なくとも2ヶ月目以降のACが予定より多くなっているので、進捗遅れに対する対策は即座に実施したが残念ながらコストオーバーに対する対応まではできなかった、もしくは効果がでなかったようだ。典型的なコストオーバーの事例だといえる。
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著者プロフィール
株式会社プライド 三好 克典
前職にてプロジェクト管理や標準化が非常に重要であると考え、技術習得及び実践の場を求めてプライドに入社。現在、システム開発方法論「プライド」を軸に、プロジェクト管理、標準化、情報資源管理の支援に携わっている。
INDEX
第4回:ベースライン作成の鍵となるWBSの解説と事例紹介
はじめに
事例紹介
標準WBSの活用
一見計画通りに進んだと思われる事例