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スケジュールとコストに関する指標が一目瞭然にわかるEVM
第4回:ベースライン作成の鍵となるWBSの解説と事例紹介
著者:
プライド 三好 克典
2006/4/17
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一見計画通りに進んだと思われる事例
最後の事例を見てみよう。これは8ヶ月のプロジェクトを月単位で示したものである。
図7:出来高とコスト実績(事例3)
図8:SPIとCPI(事例3)
グラフが重なっていて一本に見える。これは、ほぼ計画通りに進んだ例であるが、ここでこのプロジェクトに対するマネジメントは本当に大成功だったのかということをよく考えて欲しい。以下のケースも考えられたのではないだろうか。
もともと非常に余裕のあるベースラインとなっていた。余裕があるために遊んでいてもEVに遅れはなく、残業なしの勤務時間を計上すれば計画通りになるのは必然であった。
適切な管理がされておらず、計上がいい加減だった。とにかくEVを守るために残業していたとしても残業を計上していないため、計画通りの結果になった。
表2:考えられた別のケース
表2のケースについて考えて欲しい。当然、大成功としてバンザイすべき結果ではないはずだ。EVMの結果が「問題なし」を示していたとしても、本当に問題がないかどうか確認して表2のような状態であれば対応する必要がある。
最終回の次回はアラームがあがった際の報告・対応の違いや遅延の取り戻しについて解説する。
参考文献
PMBOKガイド 第3版 PMI
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著者プロフィール
株式会社プライド 三好 克典
前職にてプロジェクト管理や標準化が非常に重要であると考え、技術習得及び実践の場を求めてプライドに入社。現在、システム開発方法論「プライド」を軸に、プロジェクト管理、標準化、情報資源管理の支援に携わっている。
INDEX
第4回:ベースライン作成の鍵となるWBSの解説と事例紹介
はじめに
事例紹介
標準WBSの活用
一見計画通りに進んだと思われる事例