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Linux+DB2
Linux+DB2のパフォーマンスチューニング

第7回:DB2の設定情報を取得する(後編)
著者:日本アイ・ビー・エム  中坪 宏明   2006/7/19
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DB2_SKIPDELETED=ON

   この指定により、別のトランザクションにより削除された行(インデックスのキーおよびデータで未コミットのもの)を読み取らないようにします。その結果、ロック待ちの可能性が低くなり、処理性能が向上する場合があります。

   上記の「DB2_EVALUNCOMMITED」の指定により、データの方を読み取らないようにすることは可能ですが、タイプ2インデックスの未コミットの擬似削除キーを読み取らないようにするには、この指定が必要です。

   なおこの機能は分離レベル(Isolation Level)が、RS(読み取り固定)およびCS(カーソル固定)の場合に利用可能です。

DB2_SKIPINSERTED=ON

   この指定により、別のトランザクションにより挿入された行で未コミットのものを、読み取らないようにすることができます。これにより、読み取り時のロックを減らすことができ、処理性能が向上する場合があります。


DB2オプジェクト定義の参照

   表/インデックス/表スペース/バッファプールの定義は通常SIプロジェクトなどで管理されているはずですが、チューニングの際に念のため、現在の定義を確認したいような場合があります。

   これらの定義は、db2lookコマンドで、DDL文の形でテキストファイルに抽出することが可能です。

実行例
[db2inst1@db2server tpcc]$ db2look -d tpcc -a -e -l -m -o tpcc.ddl
-- すべての作成者に統計を生成する
-- 表の DDL の作成
-- 出力がファイルに送信されます: tpcc.ddl

   この例では、tpccデータベースの表/インデックス/表スペース/バッファプールの定義などを「tpcc0.ddl」にDDL文(create xxx, alter xxx)の形で抽出します。

   さらに、表/インデックスの統計情報も「db2lookコマンド」で出力することが可能です。

実行例
[db2inst1@db2server tpcc]$ db2look -d tpcc -a -e -l -m -o tpcc.ddl
-- すべての作成者に統計を生成する
-- 表の DDL の作成
-- 模倣モードでの db2look の実行
-- 出力がファイルに送信されます: tpcc.ddl

   この例では、tpccデータベースの表/インデックス/表スペース/バッファープールの定義に加えて、表/インデックスの統計情報もDDL文(create xxx, alter xxx, update xxx)の形で抽出します。

   これにより、チューニングを本番環境の統計情報を別の検証環境にコピーすることができますので、検証環境でアクセス・プランの確認などを行うことが可能となります。


まとめ

   第6〜7回では、パフォーマンス上重要なDB2設定情報をご紹介しました。次回より、パフォーマンス・チューニングを行う上で重要なDB2の稼動状況の情報取得方法および内容の説明をします。

   その後、Linux側の情報とDB2側の情報を組み合わせて、DB2のパフォーマンス・チューニングへ展開していきます。

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日本アイ・ビー・エム  中坪 宏明
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  中坪 宏明
インフォメーション・マネジメント・テクニカル・セールス所属
DB2の技術支援(設計支援、パフォーマンス・チューニング、障害解決支援、案件サポートなど)を10年以上実施している。Linuxをはじめとして各オペレーティングシステムおよびハードウェアとの組み合わせでの機能検証および性能検証も実施している。


INDEX
第7回:DB2の設定情報を取得する(後編)
  前回より
  DB2レジストリ変数
  DB2_MDC_ROLLOUT=ON
DB2_SKIPDELETED=ON