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Linux+DB2のパフォーマンスチューニング

第8回:DB2をチューニングするツール群
著者:日本アイ・ビー・エム  中坪 宏明   2006/12/26
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DB2スナップショット・モニターの利用方法

   では、実際にDB2をチューニングしていく方法を解説します。まずは、スナップショット・モニターの使い方を説明します。

   スナップショット・モニターで情報を取得するには、あらかじめ取得したい情報の「モニター・スイッチ」をONにする必要があります。各モニター項目、スナップショット・モニターの取得コマンド、および関連するモニター・スイッチについては、以下の通りです。
モニター項目 取得コマンド 関連モニター・スイッチ
データベース・
マネージャー
db2 get snapshot for dbm SORT
データベース db2 get snapshot for db on データベース名 BUFFERPOOL, SORT, LOCK
バッファープール db2 get snapshot for bufferpools on データベース名 BUFFERPOOL
アプリケーション db2 get snapshot for applications on データベース名 BUFFERPOOL, SORT, LOCK, UOW
動的SQL db2 get snapshot for dynamic sql on データベース名 STATEMENT, BUFFERPOOL, SORT
db2 get snapshot for tables on データベース名 TABLE
表スペース db2 get snapshot for tablespaces on データベース名 BUFFERPOOL
ロック db2 get snapshot for locks on データベース名 LOCK

表5:スナップショット・モニターの取得コマンドとモニター・スイッチの関係

   上記コマンドを実行すると、標準出力に結果が戻りますので、それをテキストファイルとして保存して、後で利用します。

   モニタリング対象項目によっては、累積値のものがあります。その場合には、最低2回、あるインターバルでスナップショットを取得して、その差分値を算出し、現在の処理状況の値として利用します。

   なお、スナップショット表関数を利用することで、スナップショットをコマンドではなくSQLとして発行し、結果をDB2の表に保存することも可能です。その方法につきましては、マニュアルを参照ください。


モニター・スイッチの指定方法について

   モニター・スイッチをONにする方法には2つあります。1つはデータベース・マネージャー構成パラメータで指定する方法で、もう1つはupdate monitor switchコマンドを利用して指定する方法です。

   モニター・スイッチとデータベース・マネージャー構成パラメータとの関係は以下のようになります。

モニター・スイッチ データベース・マネージャー構成パラメータ デフォルト設定
BUFFERPOOL DFT_MON_BUFPOOL OFF
LOCK DFT_MON_LOCK OFF
SORT DFT_MON_SORT OFF
STATEMENT DFT_MON_STMT OFF
TABLE DFT_MON_TABLE OFF
TIMESTAMP DFT_MON_TIMESTAMP ON
UOW DFT_MON_UOW OFF

表6:モニター・スイッチとデータベース・マネージャー構成パラメータとの関係

   データベース・マネージャー構成パラメータで指定するには、以下のようにします。

db2 "update dbm cfg using DFT_MON_BUFPOOL on DFT_MON_SORT on"

   update monitor switchコマンドを使う場合には、以下のようにします。

db2 "update monitor switches using BUFFERPOOL on SORT on"

   また、現在の monitor switchの設定を確認するには、以下のようにします。

db2 "get monitor switches"

   update monitor switchesコマンドを利用してモニター・スイッチを変更した場合、モニター・スイッチはupdate monitor switchesコマンドを実行した接続でのみ有効です。従って、後続のスナップショットの実行は、必ずupdate monitor switchesコマンドを実行したデータベースへの接続を使って取得する必要があります。

   なお、データベース・マネージャー構成パラメータを利用した場合には、このような考慮点はありません。

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日本アイ・ビー・エム  中坪 宏明
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  中坪 宏明
インフォメーション・マネジメント・テクニカル・セールス所属
DB2の技術支援(設計支援、パフォーマンス・チューニング、障害解決支援、案件サポートなど)を10年以上実施している。Linuxをはじめとして各オペレーティングシステムおよびハードウェアとの組み合わせでの機能検証および性能検証も実施している。


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第8回:DB2をチューニングするツール群
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DB2スナップショット・モニターの利用方法
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