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飛躍するオープンソースベンチャー企業
ERP業界にオープンソースで挑戦するビーブレイクシステムズ
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— いわゆる基幹系ではあるわけですね


白岩氏:そうです。商用製品では数百万から3000万円くらのERPパッケージが競合になります。


— 今まで商用ソフトが占拠していたエリアに、オープンソースで入って行ったわけですね。苦労された点はありますか

白岩 次郎氏 白岩氏:経理システムや会計システムでは、まだオープンソースのものはありません。そこはたぶん、商用ソフトのほうがずっといいと思います。我々が対象としているのは、商用の会計システムの上に載せる管理会計システムや受発注システムという部分です。

   苦労した点は、お客さんによっては、はなからオープンソースはだめとか、Windowsでなければだめというケースもあります。1回だけ、Linuxでやりたいのに、OSはWindowsでエミュレートしこともありました。


— そこは顧客のニーズに合わせて対応してきたわけですね


白岩氏:でも、1回だけですね。あとはできませんと言いました。そういうわけで、我々のお客さんというのは、昔ながらの老舗企業ではなく、最近出てきた我々よりちょっと先輩くらいのベンチャー的な企業がマッチします。ライブドアや、それ以外でも上場2、3年くらいの会社との取引が多いです。


— SAPで培った知識はどう生きていますか


白岩氏:SAPでは、アプリケーションをどういう仕様にしておくとお客さんがこう使うといった、要件定義や概要設計などの業務システム構築のノウハウを得ることができました。それを今生かせています。


— オープンソースを利用しているということで、ユーザの反響はいかがですか

白岩 次郎氏 白岩氏:最初にソフトを選ぶ時には、「え、Linuxなの?」という話になりますが、買うと決まった時点でそれは関係なくなります。それよりも、上に載っている我々が作ったアプリケーションが使いやすいかどうかという話になるだけです。導入後に何か言われるということはないですね。我々の作ったコードにバグがあることはあっても、障害が起きて、Linuxのここがおかしいから全部止まったとか、PostgreSQLがおかしいから、というのは1回もないです。


— チューニングが必要だったりすることもないですか


白岩氏:一般にユーザが変えられるパラメータ設定については、当然設定しますが、コンパイルが必要というレベルのものはありません。OS、DB、アプリケーションサーバについては、オープンソースでまったく問題ないです。


— 基幹業務系に特化されているということですが、それ以外の分野に拡大する予定はないのですか

白岩氏:我々はJava、オープンソース、ERPの3つの切り口を核として特化しています。もともと安いコストで、エンジニアが倒れたりしないような、無駄のないシステム導入を目指したいというのが創業の目的ですから。


— J-Fusionのアプリケーションレイヤーのものを公開することは考えていますか

白岩氏:それは考えています。近い将来、業務アプリケーションの一部のある機能についてオープンソース化して、実際に業務アプリケーションを開発する予定はあります。早ければ2005年秋くらいから開発を開始します。


— Open OLAPのようなことを考えているのでしょうか


白岩氏:近いですね。我々が考えているビジネスは、付随するサービスの部分を有償にするということです。

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