踊るエンジニア 〜システム開発現場の風景
第1回:初心者SEと最初のプロジェクト
著者:ビーブレイクシステムズ 鹿取 裕樹
はじめに
この連載では筆者が体験した様々なプロジェクトでの体験談をご紹介します。これからプロジェクトに参加される方はそのための準備として、今プロジェクトに参加されている方は息抜きとして読んでいただければ幸いです。今回は初回ということで、筆者にとって初めてのJava開発プロジェクトについて紹介します。
初めてのJava開発プロジェクト
私が大学卒業後、最初に勤務したのはパッケージベンダーであり、そのプロジェクトは大規模なものでした。まだ若いこともあり比較的責任の小さい仕事を任されていて、自分が関わっているのはプロジェクト全体の一部分でした。
しかし、次の会社はできたばかりのJava・オープンソースを用いたシステム開発を行っており、社員の数は少なく、システム規模は数人月のものからあり、受注する案件もその多くは小規模のものばかりでした。その中で、いよいよ筆者初のJava開発プロジェクトが決まり、開発メンバーは2人で、筆者がリーダーを行うことになりました。
汗だくの実装
仕様が確定し、いよいよ実装を開始することになりました。とはいってもいかんせん初めてのJava開発プロジェクトであり、Java自体独学で1ヶ月ほど勉強した程度の実力です。当然、非常に苦労することになりました。Javaのライブラリもほとんど知らず、StringやCalendarといった限られた武器をやたらと振り回しました。その結果、無駄に長いソースがどんどんと作られていきました。また、ループをネストしてしまう、ループの中でSQLを発行するなどパフォーマンスが全く考慮されていませんでした。
このような状態ですから「オブジェクト指向」などもってのほかで、1つのクラスにばらばらの目的のメソッドが詰め込まれ、似たような機能がいろいろなクラスに散在するという、「不吉な匂い」がぷんぷんとするソースになってしまいました。もちろんこの時はリファクタリングという言葉など知る由もありませんでした。