「運用管理ツール」というと、まず統合管理ツールや監視ツールが頭に浮かぶだろう。ここでは、その範疇に収まらない解析ツールやデータベース管理ツールを紹介する記事を取り上げた。
徹底比較!! Webアクセスログ解析ソフト
第1回:Webアクセスログ解析ソフトの種類と必要性
著者:システム・ウィーバー 塩田 修一
Webアクセスログ解析の必要性
Webアクセスログ解析は、現在ではインターネット・マーケティング結果を評価する上で最も基本的なデータであるWebアクセスログを解析することです。特に最近では、サイト構築時にSEO(サーチエンジン最適化)やSEM(サーチエンジンマーケティング)を行うことが当たり前になり、Webアクセスログ解析は必須の作業となっています。
これまで、アクセスログの解析が必要だったのは、主にサイト管理者やサーバ管理者でした。しかしこれからは、PHPやJavaなどを使って動的なWebページを開発するエンジニアやサイト企画者、Webデザイナーも考慮しなければならない時代になりました。
このWebアクセスログを解析するソフトウェアとして、オープンソースと商用ソフトウェアの両方で多くのソフトウェアが提供されています。今回の徹底比較では、Webアクセスログ解析ソフトの比較を行い、アクセスログ解析に必要な基礎知識とソフトウェアの機能などを紹介します。
アクセスログとは
アクセスログとは、もともとサーバ管理者やサイト管理者が、Webサーバの動作状況を確認するために保存していたログファイルのことでした。同じものにUNIXやLinuxでOSの動作状況を記録しているシステムログがあります。
OSS適用システムの障害解析ツール
第1回:ダンプ解析ツールの現状と必要性
著者:ユニアデックス 前原 志好
はじめに
近年、Linuxの大規模サーバシステムへの適用事例が増加しているが、オープンソースソフトウェア(以下OSS)のサポート現場では、既存ツール・手段の不備により迅速な障害対応ができていないという声があがっている。それは、Linuxには障害解析のための標準的なツールが揃っていないことも原因のひとつである。
現状では、障害発生時は各社固有のノウハウで対応している。特にダンプやトレースといったツールは、存在はするが実際の現場ではあまり使われることがなく、利用ノウハウも蓄積されていない。よって、障害発生時に十分なデータが得られず、解決に時間がかかり、原因の特定に至らないケースも多々ある。
既存の解析ツール
Linuxカーネルのダンプを解析するツールはいくつか存在している。しかしながら、そのツールの使用方法は存在しても、実際の解析事例や解析テクニックといったノウハウは公開されていない。そのあたりにメスを入れるべく、ダンプ解析における新しいプラットフォームの開発ということになったのだが、その前に既存のダンプ解析ツールとして代表的な2つのツール(lcrash、crash)をここで紹介しておく。
オープンソースの適用可能性を示す
第2回:DB管理ツールを例にOSSの現在の実力を診断する
著者:ユヒーロ 伊藤 寛之
企業情報システムの命題
インターネットの普及に従い、ネットに接続されている企業システムが取り扱う情報量は爆発的に増加した。この溢れんばかりの情報を、DBでいかに効率的に管理するかが、「今日の企業情報システムの命題」であるといっても過言ではないだろう。そのためには、以下の3つの課題を解決しながら、DBの構築と運用を進めていく必要がある。
- 多数のDBサーバを最小限のDB管理者で管理・運営できること
- 複数種類のDBMSが混在可能なこと
- 運用管理を支援する、多機能で使いやすく、安価なツールの導入
表1:企業情報システムの命題
今回は、大手証券会社とベンチャー企業、DBMSベンダーでの筆者の業務経験に基づき、企業システムにおけるDBの運用管理の問題点を分析。さらに、システムにおけるオープンソースソフト(OSS)のDBについて概観する。その上で、上述の3つの課題を解決しながら、DBの可用性とセキュリティ、パフォーマンスを横断的に監視する方法について提案する。
DBMS管理専用に複数OSSの組み合わせで対応
近年OSSのDBMSは、品質・機能ともに着実に向上している。だがDBMS本体とは別に、そのDBMS専用に設計され、可用性やセキュリティ、パフォーマンスを管理するような運用管理ソフトについては、商用DBMSのように成熟したものはまだ存在しない。
そこで、既存のネットワーク管理あるいはサーバ管理用OSSを複数組み合わせて使用することになるが、これには2つの問題点がある。
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