TOPプロジェクト管理> BPMを基本定義する
多角的に考察する BPM再入門
多角的に考察する BPM再入門

第1回:4つのアクティビティで捉えるBPM
著者:メタジトリー  丸山 則夫   2006/4/27
1   2  3  4  次のページ
BPMを基本定義する

   最近、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は内部統制や業務の可視化、SOAなど様々な領域において注目されています。読者の皆様はそれらの想定しているBPMの内容が各々異なっているのを目にしていることでしょう。

   そのような状況を考えることが、そもそも「BPM」なのです。

   まずは筆者の捉えているBPM(ビジネスプロセスマネジメント)の基本定義からはじめます。

   BPM(ビジネスプロセスマネジメント)とは、業務プロセスに着目し、それをワークフローなどでプロセスとプロセスの活動状況を把握し、最適な業務活動を維持するための継続的な業務遂行と改善サイクルをマネジメントする考え方です。その時の継続改善には、日常的なものからシステムの変更を伴うものまで、難易度や内容が様々です。そのため、継続改善の構成として周期に着目した4つのアクティビティが必要となります。


BPMの4つのアクティビティとは

   業務の継続改善を構成する4つのアクティビティは「業務遂行」「業務管理」「業務改善」「業務改革」です。BPMは業務プロセスの可視化した世界の中でこれらのアクティビティが連携をとりながら、最適な業務パフォーマンスを継続確保、成長する世界といえるかもしれません。

BPM4つのアクティビティ
図1:BPM4つのアクティビティ


4つのアクティビティ

   では、4つのアクティビティそれぞれについて説明します。

1. 業務遂行:業務の確実な遂行
日常の業務の迅速で確実な遂行を行うこと。
周期:その都度実施(毎日何回も)
2. 業務管理:日常業務の中でのリソース調整
人員等のリソースの調整で良好な業務の良好なパフォーマンスを確保する。毎日、仕事の忙しさは時間帯や、日常と異なる状態になった時アクティブティの負荷は想定と異なる状況になる場合があります、そのような時の解決手段として応援要員を投入をします。
周期:適時(軽度の問題が発生)
3. 業務改善:業務の再構成
組織の変更やルール変更などの現行業務や現行システムの運用範囲内でパフォーマンスの適正化。例えば新たなコンセプトの新商品を出したり、事業の方針が軽度に変わったりする際に現行ビジネスモデル内で改善を実施します。そのために新たな環境への適応を実施し、その効果を確かめながら改善していきます。
周期:年に数回、内容によっては、月に何回かもありえます。
4. 業務改革:再構築
現行業務プロセス、情報システムでは解決できない状況が起こり、ビジネスモデル自体を変更します。ビジネスモデルの変更や、経営方針の大きな変更、会社の統廃合などによりビジネス自体を新たな構築(再構築)する時に行います。
4-1. 業務の再構築
インフラである情報システムを稼動させながら、業務プロセスを全面的に見直します。
4-2. システムの再構築
インフラを含め抜本的なつくり直しを行う。
周期:数年に一度

表1:4つのアクティビティ

周期:BPMを理解する上で業務遂行および改善改革周期の考え方は大事です。業務改革が情報システムに関わる改善改革を行う時、今までは数ヶ月、数年の構築期間が必要としていました。BPMは業務の改善結果を速やかに必要な時に、必要な周期に情報システムが対応できるようにする仕組みです。毎日のように行う日常作業の対応り、その時発生するリソース問題への適時対応、毎月とか四半期毎に業務を見直す定期対応、そしてビジネスモデルを変える事業戦略の変更に伴う長期のスパンでの対応、これらのアクション対応がBPMという考え方のもとに実施されます。

1   2  3  4  次のページ


株式会社メタジトリー 丸山 則夫
著者プロフィール
株式会社メタジトリー  代表取締役社長
日本BPM協会  理事   丸山 則夫

経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。

INDEX
第1回:4つのアクティビティで捉えるBPM
BPMを基本定義する
  情報システム構築としてのBPMとは
  システム全体の再構築
  開発方法論