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| 今回の概要 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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Dell PowerEdge 2850およびPowerEdge 6850サーバは、仮想化にお勧めできる強力なプラットフォーム。VMWare ESX Serverソフトウェアを搭載することで、多様なアプリケーションやオペレーティングシステムをサポートすることができます。 最適なPowerEdgeサーバを選択するには、運用する仮想化環境にいくつの仮想マシン(VM)が必要になるのか、容量はどれくらいか、どの程度の高性能・高可用性が求められるのかといった、多くの要因を検討する必要があります。 強力な仮想化機能をサポートするESX Serverソフトウェアは、1台の物理ハードウェア上で多数のVMを同時実行することができます。ESXは、同一サーバ上の各VMにそれぞれ専用のパーティション(スライス)を割り当てます。ESXは、これらのVMを動的に管理することができるので、処理量が増えてきたVMにはサーバ・リソースの割り当て量を増やすことができますし、後ほどワークロード(負荷)が変われば、減らすこともできます。 Dell PowerEdge 2850とPowerEdge 6850サーバは、インテルXeonプロセッサ、PCI Express対応のI/Oスロット、ECC DDR-2 SDRAMメモリなど、先進の機能を豊富に備えた強力なプラットフォーム。その優れたスケーラビリティと拡張性は、仮想化に理想的です。仮想化環境で運用するVMの要件がはっきりすれば、おのずと最適なPowerEdgeサーバも決まってきます。 そこでデルは、Dell PowerEdge 2850およびPowerEdge 6850サーバ上で4種類のワークロードを実行し、様々な負荷に対するESX Serverソフトウェアの処理能力を検証しました。本書では、そのテスト結果を説明すると共に、サーバ選定のガイドラインをご紹介いたします。 |
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| VMWare ESX Serverソフトウェア | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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VMWare ESX Serverを使うと、様々な種類のアプリケーションを1台のハードウェアで安全に連動させることができます。ESX Serverは、ハードウェアのすぐ上に仮想化レイヤと呼ばれる層を形成し、そこに複数の仮想マシン(VM)コンテナを作成します。 各VMには、それぞれ個別にオペレーティングシステム(OS)をインストールするので、OS固有のサービスやアプリケーションが実行できます。ESX Serverは、あたかも別の物理システム上で運用するかのように、VM同士を互いに切り離して実行できるため、種類の異なるOSやアプリケーションを1台のサーバで同時に稼動させるといった柔軟な対応が可能になります。 それぞれのVMは、個別に再起動したり電源を切ったりすることができます。その際、同じ物理サーバ上で稼動している他のVMに影響を与えることはありません。この機能は、アプリケーションのアップグレードや修正プログラムの適用に威力を発揮します。 あるVM上のアプリケーションをアップグレードした後、このVMを再起動しても、同じ物理システム上で稼動する他のアプリケーションをダウンする必要はありません。このような運用が可能になるのも、各VMが自分専用のオペレーティングシステムとアプリケーションを実行しているからです。 さらに、VMWare ESX Serverは、VMotionという強力な機能もサポートします。VMotionを使うと、ある物理サーバ上で稼動中のVMをダウンすることなく、他の物理サーバに移動することができます。 たとえば、ESX Serverソフトウェアを搭載した複数のシステムでサーバファームを形成し、VMotionを活用すれば、VMを稼動させたままサーバ間で自在に移動できるので、負荷分散に応用できます。また、メンテナンス作業中もVMのダウンは不要となるため、エンドユーザにサービス中断という迷惑がかかりません。 この機能をサポートするには、VMの移動に関わるサーバをすべて同じSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の共有ストレージに接続する必要があります。これにより、VMotionを使ってVMを移動しても、実際には、移動するVMのRAM内にあるデータをネットワーク経由でコピーするだけですみます。移動元/先の両サーバとも共有ストレージ内にあるVMのディスクには既にアクセスできる状態なので、ディスク内のデータをコピーする必要はありません。 VMWare ESX Serverを使ったサーバファーム環境では、各物理サーバで多数の異種オペレーティングシステムとアプリケーションを同時実行する運用例が一般的です。したがって、第8世代(G8)のDell PowerEdgeサーバ上でESX Serverの性能とスケーラビリティを評価するには、様々なワークロードをシミュレーションし検証する必要があります。 ハードウェアの構成とセットアップ今回のテストに使ったデル・サーバは、PowerEdge 2850とPowerEdge 6850です。両方のサーバとも、Microsoft Windows Server 2003やRed Hat Enterprise Linux 4などの一般的なオペレーティングシステムではなく、VMWare ESX Server 2.5.1をインストールしました。 各サーバには、テスト実施現在(2005年7月)で利用可能な最上位のプロセッサを選択しています。PowerEdge 2850には、インテルXeonプロセッサDP(3.6GHz、2MBの2次キャッシュ)を2基、PowerEdge 6850には、インテルXeonプロセッサMP2005年7月5ページDell EPG(3.66GHz、1MBの2次キャッシュ)を4基搭載しました。さらに、もう1台のPowerEdge6850には、インテルXeonプロセッサMP(3.33GHz、8MBの3次キャッシュ)を4基搭載しています。 各サーバは、2台のQlogic 2340 HBAを使ってSANに接続しました。2台のHBAを通じてLUNに複数のパスが渡されるため、ESX Serverからフェイルオーバがサポートできます。 SANストレージには、Dell|EMC CX700を採用しました。今回のテストでは、CX700に73GB(10,000回転)のファイバチャネル・ディスクを48台搭載し、そこに複数のVMを作成しました。LUNは8個作成し、それぞれ、5台(4+1)のディスクでRAID 5を構成しています。このうち4つのLUNは、SQL Server、NetBench、LAMP、ExchangeのVMに使いました。 さらに、Exchangeをテストするときは、メールストア用のデータ・ドライブが必要になったため、4つのExchange VMそれぞれに、もう1つずつLUNを割り当てています。残り8台のドライブは、2台ずつでRAID 1を4組作り、各Exchange VMのトランザクション・ログ用ボリュームとして使用しました。
表1:Dell|EMCストレージの構成 |
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| VMのテストに使用した4種類のワークロード | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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ESX ServerのVM上でアプリケーションを実行するユーザ環境をシミュレーションするため、サーバ全体のCPU利用率が85%に到達するまで、システム上のVM数を増やしていくテストを実施しました。 「利用率85%」とは、飽和状態の100%には十分余裕があるものの、許容範囲内でサーバがかなり頻繁に利用されている状態です。実際の業務運用でも到達することがありますが、できれば避けたいレベルです。多くの業界標準ベンチマークでこの85%が目安となっているため、今回これを採用しました。 サーバの仮想化環境をテストするため、4種類のワークロードを用意しました。その4つとは、SQL Server 2000のOLTP(オンライン・トランザクション処理)プログラム、MicrosoftExchange 2003 ServerのLoadSim 7.03、SuSE LinuxのLAMPスタック、Windows2003 ServerのNetBench 7.03です。 いずれのワークロードも複数のVMにセットアップし、同種の負荷のもとで同時実行しました。そして、ドライバシステム(注1)とVM上の設定をすべて同等に保ったまま、VM数を増やしていき、1台のサーバでいくつのVMが同時実行できるか調べました。
注1:
本書の「ドライバ」システムとは、テストを「駆動」するマシンを指します。
表2は、全4種のテストで使われたVMの構成内容を示しています。
表2:テストに使用した仮想マシンの構成 |
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