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企業活動と経営の可視化
第1回:企業の生産活動をどのように可視化していくか
話者:
オープンストリーム 赤穂 満
2007/2/21
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企業活動の可視化が求めらる背景
今日ほど企業を取り巻く環境の変化が激しく、迅速な対応を求められている時代はないといえるだろう。事業統合・分割による経営環境の変化、市場構造やテクノロジの変化、さらには法令遵守などによってビジネスモデルも変化し、多様化する一方である。
また、これらの変化はお互いに相関関係を持っており、企業は継続的に変化する能力を求められている。企業が継続的に変化するためには、経営者は常に企業が実施している生産活動に対して迅速に決定を下し、企業の方向づけていくことが重要である。
企業には生産活動を円滑に推進していく仕組みとして、それぞれの生産活動、つまり受注・購買・生産・在庫などの各業務に応じた基幹システムが存在する。また、企業の進むべき方向性は生産活動に左右されるため、その活動状況を可視化する仕組みを必要とする。
その仕組みは基幹システムを取り巻く情報系のシステムとして位置づけることが望ましい。なぜならば、経営判断に必要な情報はその時々で評価するポイントや情報が異なるケースが多く存在するため、生産活動における情報の集約化とリアルタイム性が求められるからである。
その一方で基幹系システムには、経営環境に応じたシステム再編に対して迅速に対応できる構成を考慮しなければならない。
本連載では、リアルタイム経営を実現するために「企業活動と経営の可視化」というテーマで「製品情報」「コスト情報」「調達情報」の可視化と、「SOA適用による可視化の実現策」について解説する。
第1回の今回は、リアルタイム経営を実現するための意思決定要素として考慮すべき点とその実現方式について解説していく。はじめに、企業の構造と環境について見ていこう。
企業活動の概要
企業を取り巻く環境変化の要素には「顧客」「仕入先」「競業先」「グループ会社」などがあげられる。
図1:企業の構造と活動
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
企業活動は図1にあげるように3つのレイヤで構成されている。日常の生産活動や販売・購買活動などの業務を行う現業部門の「オーペレーション層」、これら現業部門を製品別・顧客別の一定の事業単位で方向性の舵取りを行う「ミドルマネジメント層」、それらの各業績に対して経営方針や方向性の意思決定を行う「経営層」の3つである。
各レイヤの責任者には、それぞれ経営目標にそったミッションが与えられている。
経営層
計数情報に基づくリアルタイムな経営判断
ミドルマネジメント層
セグメント単位での実績の収集と迅速な意思決定
オペレーション層
定常業務における部門横断的な業務の実行と情報連携
表1:それぞれが達成すべきミッション
表1のミッションを達成するためには、業務の結果から発生する情報を基に、販売・生産の計画や方針の軌道修正を迅速に行える仕組みが必要となる。
オペレーション層における「部門横断的な業務の実行と情報連携」を実現する仕組みについては、連載「
ERPへのSOA適用による企業システム概要の新たなアプローチ
」で解説しているので、そちらを参照していただきたい。
今回は経営層とミドルマネジメント層について解説していく。
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著者プロフィール
株式会社オープンストリーム 赤穂 満
サービス推進兼SAXICE推進担当 統括ディレクタ
活動状況:これまでに、製品ライフサイクル、製品構成情報管理やビジネスモデルなどに関する解説記事、論文多数。
所属学会:日本設計工学会、経営情報学会、ビジネスモデル学会、正会員。
INDEX
第1回:企業の生産活動をどのように可視化していくか
企業活動の可視化が求めらる背景
経営層に求められるリアルタイム経営
情報のライフサイクルマネジメント