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エンタープライズサーバOS
徹底比較!! エンタープライズサーバOS

第5回:エンタープライズサーバOSの"強み"を見極める

著者:大神企画  富樫 純一   2005/2/4
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   第2回〜第4回にわたり、Windows Server、SUSE LINUX、Solarisという3つのエンタープライズサーバOSの機能を見てきたが、それぞれプラットフォームとして利用されている場面が異なっている。エンタープライズサーバOSは、どう使い分けるべきか。今回は、各OSが得意とする分野を整理して、他のOSに対する優位性を考えてみよう。
ファイルサーバに最適なWindows

   エンタープライズサーバOS市場のユニットベースシェアで全体の7割を占めると言われるのが、Windows Serverである。その用途で最も多いのは、ファイルサーバだ。


導入しやすいWindows

   Windows Serverがファイルサーバとして本格的に採用されるようになったのは、Windows NT 4.0以降である。1995年に登場したWindows 95は、ネットワーク機能が標準で搭載されるとともに、プラグ&プレイというハードウェアの自動認識機能により、コンピュータをネットワークに接続するだけで、ピアツーピアのファイル共有が実現できた。そのWindows 95の簡単さと、ドメインによってネットワークグループを束ねて管理するWindows NT 3.xが融合されたWindows NT 4.0は、企業のオフィス内でファイル共有を行うのに最も理想的なソリューションだった。

   オフィスではちょうど、ひとり1台のデスクトップ環境が整備されようとしていた時期であり、Windows Serverは瞬く間に普及する。なにしろ、Windowsに対して詳しい知識がなくても、接続するだけで「何となく」使えたのだ。

   こうした簡単さが、現在のWindows Serverが普及する原動力になったのは言うまでもない。しかし一方で、無秩序にファイルサーバが設置されたことにより、後々のシステム運用管理に悪影響を与えたのも、また事実である。

   Windows 2000 Server以降では、悪名高きNTドメインが廃止され、LDAPベースのディレクトリサービスである
Active Directoryが採用されたことで、運用管理の面でも大きく改善されたが、Windows NT時代のドメインが一部に残っているという企業システムもまだまだ、たくさんある。


クライアントとの親和性の高さ

   現在でも最も簡単にファイルサーバを構築でき、どの企業でも標準デスクトップとして利用されている
Windowsクライアントとの親和性が際立って高いのは、Windows Serverである。加えて、Windows Serverでは、たとえばWindows Share Point Servicesのように、企業で最も多く使われているオフィスツールのMicrosoft Office Systemからシームレスに利用できる新しいファイル共有システムも提供されている。こうした点を考えると、ファイルサーバ用途に対しては、Windows Serverに一日の長がありそうだ。


UNIX・Linuxのファイル共有

   それに対し、従来からTCP/IPによるネットワーク機能を搭載していたUNIXでも、ファイルサーバが構築されてきた。その代表的なテクノロジーが、サンが開発したNFSである。UNIXやLinuxだけのネットワークであれば、NFSは最適なファイル共有ソリューションである。

   もちろん、Windowsクライアントからも利用できるが、Windows上に何らかのNFSクライアント製品をインストールする必要がある。また、UNIXとWindowsでは、ファイルのパーミッション(アクセス権)が違っていたり、ユーザーをマッピングする必要があったり、一部の日本語ファイル名に問題が生じたりなど、使い勝手が制限される可能性がある。

   これを解決すべく登場したのが
Sambaである。Sambaは、Windowsネットワークのファイル共有で利用されているプロトコル「SMB」を使ったサービスをUNIXで利用可能にし、UNIXサーバであってもWindowsクライアントからはWindowsネットワークのファイルサーバのように見える。Sambaのソフトウェア自体はオープンソースであり、Linuxにもあらかじめ組み込まれているため、最近ではLinux+Sambaによってファイルサーバが構築される例も見られるようになった。


プリンタサーバにも優位なWindows

   なお、Windowsネットワークでファイルサーバと同じSMBプロトコルを利用するプリンタサーバも、Windows Serverが圧倒的に優位である。なぜなら、ほとんどのプリンタは、まず間違いなくWindowsに対応し、Windows用のデバイスドライバを提供しているからだ。プリンタによって、UNIXやLinuxでは利用できなかったり、プリンタ本来の機能が使えなかったりする場合がある。プリンタ共有を行う場合も、素直にWindows Serverを選ぶのが無難だろう。

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著者プロフィール
有限会社大神企画  富樫 純一
代表取締役。週刊COMPUTERWORLD(IDG)編集記者を経て、月刊WINDOWS WORLDの創刊に携わる。1996年に編集長。1998年に月刊PC WORLD創刊。1999年、編集プロダクションを設立して独立。現在、幅広い執筆活動を展開。また、NHK BS「何でも解決!パソコンマガジン」にレギュラー出演するなど、テレビ・講演活動にも活躍。


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